無緊張紡糸, 濕熱後延伸を行つたポリビニルアルコール (P. V. A. と略記) 纎維の分子の屈曲度を水中收縮率を以て推定しようとし, 廷伸による強度と水中收縮率の變化からP. V. A.纎維の延伸による變形機構を考察した。まず延伸條件を變化した場合, P. V. A. 纎維の張度と水中收縮率の變化にどんな影響があるかを調べ, 廷伸倍數が同一であれば延伸條件は何等影響を及ぼさないことを知つた。次に紡糸液濃度, 凝固浴濃度及び紡出纎度を變化して凝固速度に差を與えて無緊張紡糸を行い, これを濕熱後延伸し, 延伸によるP. V. A. 纎維の強度と水中收縮率の變化の有樣を見るに, これらの強度と水中收縮率の關係はほぼ1本の曲線にてあらわすことが出來, 凝固速度の影響を受けないことを知った。
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