種々炭素数の異なるアルキルアルミニウムAIR
3や, 塩素による置換度の異なったクロルエチルアルミニウムA1 (C
2H
5)
nCl3-n (n=1, 2) と四塩化チタンを組み合わせた触媒系によりα-メチルスチレンを-78℃で重合させた.アルキルアルミニウムとしてはA1 (CH
3)
3, A1 (C
2H
5) 3, A1 (i-C
4H
9)
3, A1 (C
6H
13)
3を用い, クロルエチルアルミニウムとしてはA1 (C
2H
5) 2C1, A1 (C2H5) C12を用いた.AIR3やAIEtn C13-nの種類によって触媒活性や得られたポリマーの重合度は非常に変化する.また, いずれの触媒系の場合も触媒の熟成条件が触媒活性や生成ポリマーの重合度に影響を与える.0℃, 10分および-78℃, 10分の熟成条件で, 高い重合度のポリマーを与える触媒の順序はA1Me3≥AIEt
3>AIEt
2Cl>AIEt Cl2>A1 (Hex)
3>Al (i-Bu)
3 (0℃, 10分), AIMe
3>AIEt
2 CI>AIEt C1
2>A1 (Hex)
3>AIEt
3>A1 (i-Bu)
3 (-78℃, 10分) であり, 0℃, 10分の条件で, 触媒の種類によって (他の条件は一定) 生成ポリマーの重合度は500から3300まで, また-78℃, 10分の条件で800から5000まで変化する.この変化は, 触媒の種類, 熟成条件の違いによって活性種が変化し, 各活性種から得られる対アニオンの影響と考えられる.また, 各触媒系の場合につき熟成期間中におけるAIR3やAIEtn Cl3-nとTi Cl4の反応の進行度との関連から活性種について推論を加えた.
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