セリウム (Ce), ウラン (U) の金属間化合物では, 伝導電子の他に, 各格子点に 4f, 5f 電子による局在磁気モーメントが存在する. この高密度に存在する局在スピンは, 高温側では, 磁気的で稀薄磁性合金に見られる近藤効果の特性をもつ. 一方低温側では, f電子は伝導電子との混成により各格子点に局在せず, 重い擬電子となって遍歴し, ある種のものは超伝導を示す. この重い電子そのものがクーパー対を形成する超伝導が, 従来の超伝導の枠内にあるのか, あるいは, 新しい超伝導発現機構を必要としているのかについて明らかにすべく, 現在まで行なわれた実験成果を紹介する.
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