地理学評論 Ser. A
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57 巻, 5 号
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  • 木内 信蔵
    1984 年 57 巻 5 号 p. 303-306
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 中島 峰広
    1984 年 57 巻 5 号 p. 307-328
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,地理学においてこれまでほとんど触れられることのなかった風車灌漑について,それが集中的に行なわれた地域を記述し,地域間の比較考察により系統的な整理を試みたものである.その結果, (1) 風車灌漑に用いられた揚水風車は,それぞれの地域の地縁技術によって開発され,構造・材質などに違いがみられること, (2) 風車灌漑の目的は,水田の補給水灌漑が最も重要であったこと, (3) 水田における風車灌漑は1920年代前半~60年代前半の時期に行なわれ,それが実施可能になったのは手押しポンプの出現,商業的農業の進展などによること,一方,それが放棄されたのは機械価格の相対的低下とその購入に当たっての補助金の下付,風車の維持管理労力の不足などによること, (4) 風車灌漑が行なわれた地域は水利に恵まれないため,撥釣瓶により地下水を揚水して灌漑していた地域のなかで,海陸風・湖陸風に恵まれた海岸・湖岸にあり,商業的農業の発達により資本が蓄積されたところであったことなどが明らかになった.
  • 仁科 淳司
    1984 年 57 巻 5 号 p. 329-348
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    冬季季節風下における中部日本周辺の雲分布について,地形が原因で生じる気象票素分布の特徴によって受ける影響(地形効果)を考察した.その結果,地形効果は, 800~850mbの風がほぼ西から吹く場合と,ほぼ北西から吹く場合の,二つに集約して説明される.前者の場合,地形性の高山高気圧が閉曲線に囲まれた形で解析されず,日本海側の帯状雲は福井平野から金沢平野にかけて分布し,太平洋側の雲バンドは冷気の吹き出しによって発生する.後者の場合,中部山岳の風上に高山高気圧が閉曲線に囲まれた形で発生する.敦賀には低気圧が解析され,この低気圧の位置に日本海の帯状雲がかかる.太平洋側でも,中部山岳の風下に四日市低気圧や三宅島低気圧が発生し,これらを伴う風の不連続線に沿って雲バンドが発生する.
  • 鈴木 啓助
    1984 年 57 巻 5 号 p. 349-361
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    札幌を中心とする地域において,積雪を採取・分析し,積雪中に含まれる各物質の起源および濃度の空間分布を検討した.積雪中に蓄積されたNa, Cl, Mg, Kは,ほとんどが海水を起源とするものである. SO4については,化石燃料の燃焼による都市起源の量が多い.
    積雪中の海水起源物質濃度は,海岸近くで高く,内陸,特に調査地域の南西部で低い.積雪の密度も同じような分布傾向を示す.これらの分布傾向は,海水起源物質濃度の高いあられや雲粒付きの雪結晶が,平均風速の弱い南西域では,内陸まで運ばれにくいことに起因する.
    積雪中の過剰SO4濃度は,都市の中心部で低く,中心部の南東域に帯状の高濃度の地域が分布する.一方,化石燃料の燃焼によって放出された大気中のSO2は,都市の中心部においては高濃度で,郊外になるに従い同心円的に減少する.この両者の分布の差異を生ずる要因は,冬の札幌ではヒート・アイランド循環が形成され,都市域で大気中に放出された硫黄酸化物が上昇流によって上空に運ばれ,おもに北西風時に降る雪に捕捉され,地表面に降下するためである.
  • 1984 年 57 巻 5 号 p. 362-363,366
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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