二、「フキチン」を醸造用水加工剤として使用したる場合「フキチン」の石灰は炭酸石灰と同樣石灰「イオンバッファー」物質となり溶液中の石灰「イオン」を調節する用用あり
一、「フヰチン」は「バッファー」酸に依り可溶態となり可溶性有機燐酸化合態となり有機燐酸石灰と同樣水素「イオン」の「バッファー」物質を形成するが如し
一、「フヰチン」を加工剤として使用する場合は酸性燐酸石灰若しくは酸性燐酸加里を使用する時は「フヰチン」を可溶態となし用水に迅速に且つ均等に溶存せしむる事を得べし、醸造用水の水素「イオン」濃度を比較的高度に保たんと欲せは「バッファー」として「フキチン」と酸性燐酸石灰を使用するを要すべく又水素「イオン」濃度を較ゝ高度に保持せんとせば「フヰテン」と酸性燐酸加里を「バッファー」として使用する時は目的に適合すべし
一、「フヰチン」の「バッファー」酸としては鹽酸は急激なり水素「イオン」濃度の變化を與ふるも醋酸の如き無機弱酸は緩漫なり、故「フヰチン」應用の「バッファー」酸としては乳酸は中間に存在するを以て適當なり且っ乳酸は醸造上に使用せらる、を以て乳酸を「フキチン」の「バッファー」酸として使用し「フヰチン」を可溶態となして使用するは有効なる方法なり
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