一, 小麥代用品として小麥の全量及び其半量を甘藷澱粉粕を使用して試驗をした。
二, 甘藷粕は纎維質に富む爲めに十水では諸味が硬た過ぎるので十一水としたが尚ほ幾分固い氣味である。
三, 小麥の半量を代用したものは品質も温和で癖もなく多少色澤及び肉に遜色があるやうに思はれる。之は小麥の三四割代用ならば決して白糠其他に劣るものではないと考へる。四, 生重中に樹脂歌の油状體が沈澱したが之は所謂甘藷のアクと稱するヤラピン酸の如きものと考ふるが之は品質に別段の影響を與へない。
五, 火入の際幾分甘藷臭を放つやに思はれたが暫時にして浩滅し製品には更に其臭氣を覺えない。
六, 甘藷粕は粗割碎を行ひ粒子の部は蒸強し粉末部は炒熬するに若くはない。
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