(1) 本實驗に於ては脱酸葡萄酒の貯藏試驗を行つた。
(2) 火入しない場合は, 防腐劑を加へないものは概して早期に溷濁を認めた。
(3) 此の場合腐敗菌を加へたものは溷濁が特に早く且つ烈しく, 又醋酸臭等の腐敗臭が強く感ぜられた。
(4) 火入は65C°10分間で充分の効力が認められた。
(5) サリチル酸, パラオキシ安息香酸ブチルエステルを石當り10匁添加すると或る程度の防腐効力が認められたが完全とは言ひ難い。
(6) 溷濁は脱酸の度合が大なる程早く起りその程度が大となる傾向を認めた。
(7) 貯藏試驗終了後の總酸量, 揮發酸の増加量は溷濁の度合と必ずしも一致しなかつた。
(8) 腐敗菌を添加したものは總酸, 揮發酸の増加が特に著しかつた。
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