固液分離をおこさない活性清酒を作るためおり量を増加させる事とおりの分散性を良くする事を目的としてセルラーゼ剤, 界面活性剤, 白ぬかの利用について検討を加えた。
1) セルラーゼ剤をもろみ中に添加すると, 得られた白濁酒中の固形粒子量は多くなり, 固液界面の沈降もおそくなる事が認められた。添加量は0.05%でも0.2%もも効果には余り差がなく, また添加時期ももろみ10日目と19日目では効果に差は見られたかった。
2) 各試験区分の白濁酒中の固形粒子量を一定に調節して沈降を観察した結果, その沈降速度には差がなく, 酵素作用により特別に粒子が小さくなったとは考えられなかった。
3) 種々の界面活性剤による粒子の分散性向上を検討した結果, アルギン酸プロピレングリコールエステルの0.6%添加が効果のある事を認めた。
4) 白ぬかもろみにより作った白濁酒は却って粒子の沈降が早く白ぬか使用のメリットはないものと認めた。
抄録全体を表示