巻号一覧
61 巻, 5 号
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徳留 なほみ, 与儀 喜邦, 新名 一郎, 佐藤 勇一郎, 東 秀史, 瀬戸口 敏明2000 年 61 巻 5 号 p. 1349-1354
発行日: 2000/05/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル フリー肝転移を伴った結腸癌と腎癌の同時性重複癌を術前診断し,一期的に切除し得た1例を経験した.
症例は66歳,女性.排便時出血を主訴に近医を受診した.大腸内視鏡検査でS状結腸腫瘍を指摘され,手術目的で当科に紹介された.注腸造影検査でS状結腸に潰瘍限局型の腫瘍を認めた.腹部超音波およびCT検査で肝外側区域と左腎上極に腫瘍を認め,腹部血管造影検査の結果各々転移性肝癌と原発性腎癌と考えられた.以上より肝転移を伴った結腸癌と腎癌の同時性重複癌と診断し, S状結腸切除術,肝亜区域切除術,左腎摘出術を一期的に施行した. S状結腸癌はStage IV, 腎癌はStage IIであった.術後経過は良好で, 2年6ヵ月間再発なく経過観察中である.大腸癌と腎癌が重複した症例は稀であり,本報告では合併頻度の点から考察を行った.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3449K) -
谷内田 真一, 臼杵 尚志, 関亦 丈夫, 森 誠治, 前場 隆志, 前田 肇2000 年 61 巻 5 号 p. 1355-1358
発行日: 2000/05/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル フリー症例は68歳,男性.健康診断で血尿を指摘され精査の結果,腎孟腫瘍の診断で平成5年11月に左腎・尿管全摘出術を施行した.病理組織診断は移行上皮癌, pT1N0M0であった.平成8年4月に胃内視鏡検査で,胃前庭部大弯側に表面隆起型病変を認め,内視鏡的胃粘膜切除術を施行した.腺腫内癌で高分化型腺癌, m, ly0, v0であった.退院後に大腸内視鏡検査を行い,直腸S状部に無茎性の隆起型病変を認め,平成8年6月に内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織診断で切除断端に癌遺残があり,前方切除術を施行した.中分化型腺癌, sm, ly1, v0, pT1N0M0であった.平成9年3月に胸部X線写真および胸部CT検査で左下肺野に径10mm大の腫瘤像を指摘され,胸腔鏡下に左肺下葉切除術を施行した.病理組織診断は中分化型腺癌, pTINOMOであった.腎孟,胃,直腸,肺に発生した四重複癌を,いずれも早期に発見し治療しえた稀な1例を経験した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2629K)