症例は60歳,男性で左腎部に発赤,腫脹を認め受診した.左腎部に直径2cm大の感染性アテロームを認め切開・排膿し摘出した.その後,外来で処置を続けていたが自己の判断で受診せず,最終受診より3日後,左大腿部の広範囲に発赤,腫脹,疼痛を認めたため入院加療を行った.入院後,抗生剤の加療を行ったが腫脹,疼痛は改善せず腰痛麻酔下に大腿部切開し壊死組織の除去を行った.血糖コントロールが不良であり長期に及ぶ加療が必要と判断されたが,徐々に大腿部の肉芽は形成され,発赤,疼痛なども認められず退院となった.糖尿病に合併した壊死性筋膜炎はしばしば重篤化し致死率も高く,適切な全身管理が必要である.文献的考察を加えて報告する.
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