日本臨床免疫学会会誌
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25 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 飯田 昇
    2002 年25 巻6 号 p. 443-451
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 辻崎 正幸, 中原 生哉, 風間 美江, 清水 晴夫, 吉本 満, 高橋 徹, 岡田 至全, 佐々木 茂, 今井 浩三
    2002 年25 巻6 号 p. 452-457
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    溶血性貧血,アレルギー性皮膚炎,高γグロブリン血症など多彩な免疫反応を伴ったIBL-like T cell lymphomaを経験した.症例は63歳男性.発熱,全身リンパ節腫脹,全身性皮疹が著明となり入院. Hb 10.1g/dl, reticulocyte 42‰, haptoglobin<10mg/dl, LDH 558IU/l, Coombs test (direct and indirect)強陽性から溶血性貧血と考えられた.高γグロブリン血症,特にIgE 14300IU/mlおよびeosinophil 14%を伴う全身性皮疹を呈し,皮膚生検でアレルギー性皮膚炎であった.全身性表在リンパ節腫脹のリンパ節生検からIBL-like T cell lymphomaの診断となりbiweekly CHOP-E療法を施行した.全ての臨床症状の改善および検査値の正常化を認めた.この症例の病態は高IL-2血症(652pg/ml)にもとづいた一連の免疫反応の活性化によるものと推測された.
  • 小川 純, 小池 竜司, 杉原 毅彦, 萩山 裕之, 西尾 純子, 上阪 等, 窪田 哲朗, 河内 洋, 笠原 一郎, 宮坂 信之
    2002 年25 巻6 号 p. 458-465
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)と抗リン脂質抗体症候群(APS)に合併した慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の一剖検例を報告する.症例は35歳女性で,遷延する発熱,関節痛,呼吸困難を主訴に入院.多関節炎,口腔内潰瘍に加えて軽度の肝障害,肺高血圧症を認め,検査所見でリンパ球減少,抗DNA抗体,抗RNP抗体,抗カルジオリピン抗体陽性,梅毒反応生物学的偽陽性などの所見を認めたことから, SLEおよびAPSと診断した.プレドニゾロン30mg/dayの投与により一旦は病状は改善したが, 4カ月後に肝障害の増悪にて再入院.自己免疫性肝炎を疑ってステロイド薬を増量したが効果なく,肺胞出血を来して死亡した.剖検では,腎糸球体にメサンギウムの拡大を伴うび漫性膜性糸球体腎炎の所見を認め,ループス腎炎(WHO V-b型)に合致する所見であった.また,骨髄,肝臓,脾臓に血球負食像とEBVゲノム陽性の異型リンパ球の著しい浸潤が認められ,血清学的にもEBV関連抗体が高値を示し,しかも剖検後に検索を行った血漿EBV-DNA量は著明高値を示していたことから, SLEに血球貧食症候群を伴うCAEBVを合併したものと診断された.
  • 八子 徹, 西成田 真
    2002 年25 巻6 号 p. 466-472
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.乾性咳漱と両側涙腺・顎下部の腫脹,眼乾燥を自覚し眼科受診.乾燥性角結膜炎あり,精査加療のため入院.小唾液腺の生検組織像よりSjögren症候群と診断された.検査では高γ-グロブリン血症(IgG 3916mg/dl)を認めたが,抗核抗体,抗SS-A抗体などの自己抗体は陰性であった.血清免疫電気泳動を施行したところIgA-M蛋白血症が確認された.また涙腺・顎下腺腫脹に加えて,縦隔,噴門部にもリンパ節腫脹が指摘され悪性リンパ腫などの存在が疑われたが,涙腺生検にて免疫組織学的にモノクローナルな増殖を認めず,リンパ系腫瘍は否定的と考えられた.ステロイド剤投与にて涙腺・顎下腺腫脹およびリンパ節腫脹は消失したが, IgA-M蛋白血症は持続している.本症例は高齢発症の男性例で著明な涙腺の腫脹という臨床的特徴を有し,また抗SS-A抗体陰性, M蛋白血症の存在という通常のSjögren症候群とは異なる病像を呈していた. Sjögren症候群の病態を考える上で貴重な症例と考えられ,文献的考察を加えて報告する.
  • 宮田 直子, 小林 朋子, 松川 吉博, 澤田 滋正, 西成田 進, 堀江 孝至
    2002 年25 巻6 号 p. 473-479
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例1は73歳,女性. 62歳時より, CREST症候群として外来通院中.平成11年3月,下腿浮腫と左胸痛で入院した.抗核抗体および抗セントロメア抗体陽性で, MPO-ANCA 289 Uと高値を示した.胸部レントゲン写真上,左胸水を認めた.入院後,急激な腎障害の進行を認め,ステロイド治療を施行したが効果は認められなかった.併用したACE阻害剤による汎血球減少から脳出血を合併し,死亡した.症例2は67歳,女性. 52歳時より全身性強皮症で外来通院中.平成11年9月,発熱,呼吸困難で入院した.急速に進行する腎障害および間質性肺炎に伴う低酸素血症を認めた. MPO-ANCA 166U, KL-6605U/mlであった. 2度のステロイドパルス療法に抵抗し,肺出血, DICを合併し死亡した.
    2症例とも,経過の長いCREST症候群ないし, SScであり,急速な腎障害,肺障害, MPO-ANCA陽性であることが共通していた.強皮症に伴う腎障害の一部にANCA関連血管炎が関与する可能性が示唆され,これらの疾患の予後にも関与してくると考えられた.
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