インターフェロン(IFN)は, NK, K細胞や細胞障害性T細胞などの細胞障害能を増強し, H-2, HLA, β
2-ミクログロブリンなどの膜表面への発現を亢進させ,さらに, IgG-Fcレセプター(Fc
γレセプター)保有リンパ球数を増加させるなど,リンパ球の機能や膜抗原,レセプターなどに影響を及ぼす重要な調節因子の1つである.
今回, IFNによるFc
γレセプター保有リンパ球数増加の機序を解明する目的で,
125I-IgG-Fcを用いたヒト末梢リンパ球のラジオレセプターアッセイを行なった.その結果, IFN 500単位/m
l添加, 3時間前培養することにより,リンパ球表面のFc
γレセプター数は対照の2倍に増加したが, IgG-FcとFc
γレセプターの結合定数に変化はなかった.このことから, IFNは, IgG-FcとFc
γレセプターの結合力を強めるのではなく, Fc
γレセプター数を増加させることにより, Fc
γレセプター保有リンパ球数を増加させることが明らかになった.
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