リウマチ性多発筋痛症(PMR)において,初診時および治療経過におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ3(MMP-3)値との関連について検討した.2010-2012年に当院初診となり,ACR/EURLA 2012のPMR暫定分類基準を満たすことが確認された22例を対象とした.初診時のMMP-3については,値が得られた症例19例の平均値は200.8 ng/mlであり,19例中15例で基準値より高値であった.治療開始1ヶ月でのデータの変化については,プレドニゾロン(PSL)量が平均2.75 mg/dayより11.3 mg/dayに増加し,CRPについては6.92 mg/dlより0.33 mg/dlへ著明に低下していた.しかしMMP-3については225.1 ng/mlに上昇していた.1年以内PSL離脱群7例とPSL離脱困難群15例の比較では,MMP-3についてはPSL離脱困難群で高値の傾向がみられ,初診より3ヶ月後にMMP-3値において有意に高値となった(
p = 0.011).MMP-3はPSL内服の影響を受けるものの,PMRの疾患活動性を反映していると考えられ,PMRにおけるPSL離脱の成功の予測因子として有用である可能性がある.
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