日本臨床免疫学会会誌
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22 巻, 1 号
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  • 抗体の特異性と血栓症
    鏑木 淳一
    1999 年 22 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1999/02/28
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 須田 洋子
    1999 年 22 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 1999/02/28
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    ベーチェット病の難治性病態の一つである進行性神経ベーチェット病においては,副腎皮質ステロイド薬は無効で,未だその進行を阻止する有効な治療法は存在しない.進行性精神神経症状を有する神経ベーチェット病患者6名に対してメトトレキサート(MTX)少量パルス療法を行い,その有用性,安全性について検討した.その結果, MTX投与を開始して1年後の時点で,精神神経症状の悪化はみられず,髄液IL-6の有意な低下を認め,投与中止半年後には精神神経症状の進行とIL-6の有意な上昇が見られた. MTXの副作用としては軽度の肝障害を見られたのみで,これはMTXの減量により軽快した.その他には,重篤な副作用は見られなかった.以上より, MTX少量パルス療法は進行性神経ベーチェット病患者の治療において有用である可能性が示唆された.
  • 三宅 康弘, 多田 慎也, 中村 之信, 児島 完治, 武田 則昭, 實成 文彦
    1999 年 22 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1999/02/28
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は19歳,男性.光線過敏症の既往歴と共に持続する微熱,多関節痛等が認められるため入院となった.検査所見では血清トランスアミナーゼの上昇,白血球減少,血小板減少が認められた.自己免疫疾患の検査では抗核抗体, LE試験等が陽性であった. multiple low density spotsについては, CTガイド下肝生検において該当する部位から軽度のリンパ球浸潤とpiecemeal necrosisを伴う慢性型炎症を呈する非特異的肝炎の組織所見が得られ,臨床症状と検査所見を総合して肝病変を合併したSLEと診断した.慢性関節リウマチは関節X線所見等から除外され,自己免疫性肝炎はSLEの診断基準と肝生検組織像から否定された.ステロイド治療により本例ではSLEの諸症状が軽快すると共に肝機能障害,免疫学的異常等が正常化し,腹部CT上肝臓のmultiplelow density spotsも消失した.
  • 大矢 直子, 鈴木 康夫, 市川 陽一, 伊藤 國彦
    1999 年 22 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1999/02/28
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は31歳女性.鼻根部および両耳介腫脹,疼痛,上強膜炎にて来院. 3年前よりバセドウ病にてプロピルチオウラシル(PTU)の投与をうけていた.血沈133mm/h, CRP 13.2mg/dlと炎症反応が高く,抗核抗体および抗タイプIIコラーゲン抗体陽性であった.耳介生検で軟骨細胞変性と炎症細胞浸潤を認め再発性多発軟骨炎(RP)と診断しプレドニソロン(PSL)30mg/日より投与開始した.自他覚症状は速やかに消失し,血沈, CRPは正常化,抗核抗体,抗タイプIIコラーゲン抗体は陰性化した. PSLを5mg/日まで減量したところRPの再燃を認めたため, PTUを中止した.その後症状改善しPSL中止しても4年間再発していない. PTUはSLE類似症候群やANCA関連血管炎など自己免疫疾患の誘発があることが知られており,また, ANCA陽性のRP例の報告もみられる.本症例はPTUが発症に関与したと考えられるRPの最初の報告例である.
  • 広石 恵才, 重信 吉孝, 浅井 光子, 都築 陽子, 林 伸樹, 冨永 幸治, 松井 聖, 波田 寿一, 東野 一彌
    1999 年 22 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1999/02/28
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は22歳,女性.入院後,抗リン脂質抗体症候群と診断.ステロイドパルス療法,血漿交換を行ったが,その後,敗血症,播種性血管内血液凝固症候群(DIC)を併発.脳膿瘍,脳内出血を認めた.血液培養の結果, MRSAが検出され,起因菌と考えられた.症状としては静脈内カテーテル刺入部よりの出血以外には認められなかったが,検査結果からも改善が認められなかった事よりFOYからアンチトロンビンIII製剤と低分子ヘパリン(LMWH)に変更したところ症状,ならびに検査結果の改善が認められた.本例のように血小板数が長期にわたり減少しており,また原疾患の治療のみこみがたちにくく,外科的治療を必要とする場合,通常の非分画ヘパリンと比較して抗トロンビン作用がほとんどなく,抗Xa活性をもち出血の副作用が少ないとされるLMWHは有効な治療法と考えられる.
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