日本臨床免疫学会会誌
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22 巻, 3 号
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  • 発症の分子機構と特異的制御
    住田 孝之
    1999 年22 巻3 号 p. 101-110
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 松本 美富士
    1999 年22 巻3 号 p. 111-122
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 中島 夏樹, 宇都宮 徳一郎, 小林 真紀子, Richard B. Pollard, 鈴木 富士夫
    1999 年22 巻3 号 p. 123-130
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    先に我々は,火傷マウスの単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)やCandida albicans(C. albicans) に対する感染感受性が正常マウスより50 (C. albicans)~100倍(HSV-1)高いことを報告した.又感染高感受性は火傷により誘導されるCD 8+ CD 11 b+ TCRγ/δ+ 2型T細胞(burn-associated type 2 T細胞, BA 2 T細胞)によってもたらされることも明らかにした.今回我々は,火傷マウス由来の2型T細胞をクローン化し,その生物学的性状を検討した.樹立されたクローン細胞(T6S細胞)はBA 2 T細胞と同様高いIL-4とIL-10の産生能を有し, IL-2やIFN-γを産生しなかった. T6S細胞を正常マウスに移入したところ,これらのマウス(以下T6Sマウスと略す)はHSV-1やC. albicansに対して火傷マウスと同等の感染感受性を示した.抗IL-4と抗IL-10のモノクローナル抗体混合液を投与したT6Sマウスは,これらの感染に対して抵抗性を示した.以上, T6S細胞を用いた実験から, HSV-1やC. albicansに対する感染感受性の上昇は2型T細胞由来のサイトカインに起因することが明確になった. 2型T細胞が関与する日和見感染を解析するためのツールとしてT6S細胞は有用である.
  • 須田 洋子, 広畑 俊成, 橋本 喬史
    1999 年22 巻3 号 p. 131-136
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性.昭和52年(33歳)頃SLEを発症しプレドニゾロン治療を受けていたが,昭和59年以降はプレドニゾロンを中止していた.平成6年1月よりうつ状態となり, 3月上旬に失見当識が出現し当科に入院.入院時軽度の意識障害を伴う著明な抑うつ状態を認めた.また,血小板7万/mm3と低下,抗核抗体は10240倍(Speckled型)と高値を示し,髄液IL-6も3.382U/mlと著明に上昇していた.以上より活動性のCNSループスと診断し, 3月7日よりメチルプレドニゾロン100mg/日開始し,さらにステロイドパルス療法を2クール併用した.これにより,髄液IL-6は低下したが,意識障害は遷延した. 3月中旬より血漿浸透圧が316~325mOsm/kgと常に高値であるのに対し,血中ADHが相対的に低く, ADH分泌不全の存在が示唆された.その後,全身性播種性アスペルギルス症を併発し4月26日死亡した.本症例では, CNSループスに合併したosmoreceptorの反応性の低下による高浸透圧血症のため,意識障害が遷延したものと考えられた.
  • 井戸川 雅史, 日野田 裕治, 林 敏昭, 石田 禎夫, 今井 浩三
    1999 年22 巻3 号 p. 137-143
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性.主訴は舌痛,味覚低下. 30年前より胸部X線写真にて径約10cmの縦隔腫瘤を指摘されたが,自覚症状を認めず.平成8年11月より舌痛,味覚低下,その後慢性下痢と体重減少が出現したため当科入院となった.口腔内には扁平苔癬を認めた.血液検査では免疫グロブリンの低値を認めた.また,胸部CT, MRIでは12×10cmの巨大な縦隔腫瘤を認めた.穿刺生検で紡錘細胞型胸腺腫であり,扁平苔癬を伴った胸腺腫と低ガンマグロブリン血症(Good症候群)と診断された.慢性下痢に対し免疫グロブリン静注が効果的とされ,本症例でも改善を認めた.胸腺腫の切除は低ガンマグロブリン血症を改善しないとされ,本症例でも行われなかった.本症例はGood症候群に扁平苔癬を合併したまれな症例と考えられた.
  • 篠本 雅人, 茂田 幸子, 河島 尚志, 柏木 保代, 小石 洋和, 小林 楠和, 武隈 孝治, 星加 明徳
    1999 年22 巻3 号 p. 144-150
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    結節性多発動脈炎(Polyarteritis Nodosa以下PANと略す)は多臓器の中小動脈における壊死性血管炎で小児においても稀な疾患である. PANには全身型PANと内臓器の重篤な血管炎を伴わず比較的良好な経過をとる皮膚限局性の皮膚型PANがある. PANの病因は明らかではないが,ウイルス感染,細菌感染が先行例の報告も多く,先行感染が原因の1因子とも考えられている.成人ではB型肝炎ウイルス感染と発症の関与が報告されているが,小児では上気道の先行感染に続発する例が多く,特にA群β溶連菌の先行感染の関与が報告されている.我々は,溶連菌感染の関与が疑われた小児の皮膚型PANの1例を検討し,小児の皮膚型PANと溶連菌感染との関与を文献的に考察した.内外の文献の集計にて小児の皮膚型PANは33例中25例に溶連菌との関与が疑えた.小児の皮膚型PANでは溶連菌感染の関与についてさらに検討がなされるべきであると考えた.
  • 長崎 宗嗣, 藤本 隆, 梅村 康義, 中村 忍, 土肥 和紘
    1999 年22 巻3 号 p. 151-157
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は, 43歳の女性であり,意識消失発作を主訴として入院し,抗核抗体・抗SS-A抗体・抗SS-B抗体の陽性,シルマー試験とローズベンガル試験の陽性,および唾液腺造影でcavitary型を示したことと,他の自己免疫疾患を合併していないことから原発性シェーグレン症候群(SS)と診断された.入院時に,赤血球の連銭形成, λ-グロブリンの著増, λ分画にM蛋白が認められた.また, IgAとIgGが著増しており,血清蛋白免疫電気泳動検査でIgA-λ型M蛋白の存在が確認された.小唾液腺の導管および腺房周囲にリンパ球と形質細胞の著明な浸潤が認められたが,浸潤細胞のモノクローナリティは認められなかった.入院後は,血漿交換とメチルプレドニン・パルス療法を施行し,同時にプレドニソロン20mg/日を開始した.γ-グロブリン値は低下し,赤血球の連銭形成も改善した.本例は,IgA-λ型M蛋白血症を合併した前リンパ腫状態にあると考えられるSS症例である.
  • 吉原 修, 福間 尚文, 真砂 玲治
    1999 年22 巻3 号 p. 158-163
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は19歳,女性. 1988年,混合性結合組織病を発症.レイノー現象に伴う難治性指尖潰瘍の為,入退院を繰り返していた. 1995年5月よりストレスや寒冷暴露時に手指のレイノー現象と共に眩暈,右かすみ目,左半身痺れ感を自覚する様になった.眩暈が憎悪した為,同年10月当科入院.頭部MRAにて器質的異常を認めなかった.寒冷負荷前後に脳血流SPECTを施行した所,負荷後に末梢のレイノー現象,眩暈と共に,脳血流SPECTにて著明な脳血流低下を認めた.この結果より脳血管に生じたレイノー現象による脳虚血が眩暈の原因と考えられた.これまでに主要臓器の血管にもレイノー現象が発現することを示唆する報告があり腎臓,心臓,肺では客観的に評価した報告例がある.しかし,脳血管のレイノー現象を客観的に証明した報告例は無く,本症例は貴重な症例と考えられた.
  • 清水 貴子, 西成田 進, 孫 和恵, 富田 康之, 松川 吉博, 北村 登, 堀江 孝至, 馬場 真澄, 平沼 俊
    1999 年22 巻3 号 p. 164-169
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)様の病像で発症したCrohn病(CD)症例を報告する.症例は37歳,男性.発熱,口腔内アフタ,咽頭痛,多発性関節痛のため来院.血液検査上,抗核抗体陽性,抗DNA抗体陽性, LE細胞陽性,白血球減少,リンパ球減少,さらに約1年間のてんかん発作のエピソードなどからSLEと診断された. prednisolone(PSL)の投与により,症状は改善, SLEとしての検査異常は正常化したが,白血球減少と口腔内アフタは持続し完治することはなかった.初診より10カ月後,吐血.内視鏡で食道潰瘍が確認された.その後はPSLにcyclophosphamide(経口50mg),あるいはメソトレキサート(7.5mg/日/週)の併用を行ったが口腔内アフタ,食道潰瘍は持続した.初診より5年7カ月の時点でPSLも中止した.初診より9年2カ月を経過して体重減少,下痢,下血などの下部消化管症状が出現,入院.下部消化管造影ならびに内視鏡所見よりCDと診断された.
    CDや潰瘍性大腸炎では多発性関節痛を始めとして膠原病様の症状が出現することが知られている.本例は, CDのような非膠原病性疾患であっても時にSLE分類予備基準を満足することがありうることを示している.
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