日本臨床免疫学会会誌
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20 巻, 3 号
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  • Chediak-Higashi症候群の遺伝子異常を中心として
    安井 耕三
    1997 年20 巻3 号 p. 145-151
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 立石 睦人, 谷口 敦夫, 森口 正人, 原 まさ子, 柏崎 禎夫
    1997 年20 巻3 号 p. 152-158
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    ループス腎炎以外の膠原病難治性病態に対するシクロホスファミド大量静注療法(CYパルス)の有用性を検討した.対象はステロイド薬をはじめとした従来の治療法に抵抗性を示した各種膠原病35例であった.著効ないし有効と判定し得たのは35例中20例(57.1%)であり,その病態は全身性エリテマトーデス(SLE)の中枢神経症状2例,血管炎2例,慢性関節リウマチ(RA)の間質性肺炎2例,血管炎2例,関節炎2例,血小板減少症1例,多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の筋炎2例,間質性肺炎2例,強皮症(PSS)の間質性肺炎1例,抗リン脂質抗体症候群(APS)の血小板減少症2例,若年性関節リウマチ(JRA)の皮膚血管炎1例,ベーチェット病(BD)の中枢神経症状1例であった.一方,副作用は35例中9例(25.8%)に認められた. CYパルスは膠原病の難治性病態,特に中枢神経症状,血管炎,間質性肺炎,自己免疫性血小板減少症などに対して試みる価値のある治療法と考えられた.
  • 池田 紀子, 石黒 精, 宇野 久仁子, 稲葉 雄二, 石北 隆, 高橋 比路美, 新保 敏和
    1997 年20 巻3 号 p. 159-165
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    小児気管支喘息におけるIL-5の血中濃度と産生について検討した.血清中のIL-5は喘息児だけでなく,健常児においても全例で検出可能であった.その値は,喘息発作時では非発作時に比べ有意な高値を示したが,喘息の重症度による差は認めなかった. Dermatophagoides farinae (Df) RAST陽性の気管支喘息児において,末梢血単核球からのIL-5産生は, Df刺激により有意に増強された.対照児では無刺激時と有意差は認めなかった. Df刺激培養上清中のIL-5値は,喘息児では対照児に比べ有意に高かった. IL-5は,気管支喘息の病態に何らかの影響を与えていると推測された.
  • 肝細胞培養系(Hep G 2)におけるサイトカインおよび薬剤の影響について
    〆谷 直人, 大谷 英樹
    1997 年20 巻3 号 p. 166-177
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    炎症性サイトカインによって肝で産生される急性相反応蛋白CRPとSAAは,病態において類似の変動パターンを呈するが,両蛋白の変動に解離現象も認められる.その機序については,なお十分に明らかにされていない.
    今回, HepG 2細胞を用い,両蛋白の産生に及ぼすサイトカインおよび薬剤の影響について検討した.
    HepG 2細胞ではCRP産生にはIL-6, SAA産生にはIL-1βが大きく影響することが示された.
    HepG 2細胞にIL-1βとIL-6を加え,さらにプレドニゾロン(PSL)や各種免疫抑制剤を加えて培養し, CRPおよびSAA産生量の変動を経時的に比較した. PSLの添加ではCRP産生は低下傾向, SAAは増加を示した.各種免疫抑制剤を加えた場合にはCRP産生は殆ど変動しなかったが, SAAは最高血漿中濃度(C max)の薬剤添加で著減した.
    単球のlipopolysaccharido (LPS)刺激によるサイトカイン(IL-1α,IL-1β,IL-6およびTNFα)の産生について調べると, PSLにより抑制され,特にIL-6の減少が目立った.免疫抑制剤では増加し,特にIL-1βの産生が最も増加した.
    LPSで刺激した単球培養液をHepG 2細胞に加え, CRPおよびSAA産生量の変動をみると, PSLおよび免疫抑制剤によりCRP産生はやや低下傾向を示したが, SAAはPSL添加により増加を示した.
    以上より,単球・肝細胞培養系においてコルチコステロイド,免疫抑制剤などの薬剤の添加によりサイトカイン,ならびにCRPおよびSAA産生に相違のあることが明らかにされた。すなわち, PSLにより単球のIL-6産生が抑制され,その結果肝細胞によるCRP産生は低下傾向を示したが, SAA産生はPSLの肝細胞への直接作用により逆に増加したものと考えられた.免疫抑制剤では単球のIL-1βの産生が促進され,肝細胞のSAA産生は増加傾向を示したが, CRP産生は殆ど影響を受けなかった.
  • 中田 節子, 上松 一永, 森 哲夫, 満下 紀恵, 木下 達也, 石岡 千寛, 武藤 庫参, 横田 俊平, 広瀬 安之, 小宮山 淳
    1997 年20 巻3 号 p. 178-183
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    小児期発症の混合性結合組織病(MCTD)の一女児例を報告した.症例は13歳の女児, 5歳時に耳下腺腫脹が出現したが自然消退した. 12歳から手指の関節腫脹,多関節痛が出現, 13歳から全身の筋力低下,レイノー現象および耳下腺腫脹が出現したため入院した.手指の皮膚硬化, %VCの低下,筋電図の筋原性異常所見,抗RNP抗体陽性,アミラーゼの上昇,口唇組織の唾液腺の破壊とリンパ球の浸潤からSjogren症候群を合併した混合性結合組織病と診断した.パルス療法を含む副腎皮質ステロイド治療では,筋力低下およびCK高値の改善はなかった.メトトレキサート(MTX)(7.5mg/週)の内服により,臨床症状とCKの著明な改善が認められた.ステロイド抵抗性の著しい筋炎を合併したMCTDに対し, MTXは試みるべき治療法と考えられる.
  • 浦田 幸朋, 長谷川 みどり, 長谷川 寛, 鹿野 昌彦, 川島 司郎, 井本 正巳
    1997 年20 巻3 号 p. 184-190
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    脾臓摘出患者は敗血症,髄膜炎などの重篤な感染症に罹患しやすく, OPSI (Overwhelming postsplenectomy infection)症候群として,注目されている.経過は電撃的で症状も激烈を極め,予後は不良である.我々は脾臓摘出10年後に, OPSI症候群で死亡した1成人例を経験した.患者は26歳,男性, 16歳時,交通外傷で脾臓摘出術を受けている.平成8年1月7日,下痢,嘔吐にて発症し, 3日目に意識低下,多臓器不全にて本院へ転院後,血液透析,血漿交換,免疫グロブリン,抗生剤,ステロイド使用するも,奏功せず,当日死亡した.末梢血塗抹標本にて双球菌を認めた. IgG 3欠乏症を呈し,肺炎球菌特異IgG 2抗体も低値であった.剖検では,副腎にWaterhouse Friederichsen症候群の所見を認めた.
  • 西尾 純子, 小池 竜司, 飯塚 秀樹, 南木 敏宏, 水島 昇, 上阪 等, 窪田 哲朗, 宮坂 信之
    1997 年20 巻3 号 p. 191-198
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    寛解までに2年を要した多剤抵抗性成人発症Still病(AOSD)を経験した,症例は23歳男性.持続する高熱,皮疹,多関節痛にてAOSDを発症,ステロイド剤にて一時寛解したが, 1年後胸水,心嚢水を伴って再発し当科に転院した. Prednisolone (PSL) 60mg/日, methotrexate (MTX) 15mg/週の経口投与に加え,ステロイドパルス療法, γグロブリン大量投与を施行したが,一時的な効果に止まった. 4週毎のcyclophosphamide (CPA)間歇大量点滴静注療法を開始し, 5カ月目より臨床症状と検査所見の軽度改善を見たが,さらに7カ月目よりgold sodium thomalate (GST) 10mg/週を併用したところ,著明な効果を認めた.後にCPAは中止したが,その後もGSTのみで寛解維持している.近年,ステロイド抵抗性AOSDにMTXの有効性が報告されているが, MTX抵抗性の症例に対してCPAおよび金製剤は試用に値すると思われる.
  • 高岡 佐千子, 樋口 雅則, 小田代 敬太, 吉澤 滋, 堀内 孝彦, 仁保 喜之
    1997 年20 巻3 号 p. 199-205
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,女性. 20歳時より口腔内乾燥症状出現, 42歳時原発性シェーグレン症候群と診断された.原発性労作時呼吸困難が次第に増強したため当科入院.胸部X線,胸部CT, TBLBにて間質性肺炎の像を認めると同時に心臓超音波検査にて左心機能低下(EF 33%)を認めた.左心機能低下の原因としてウィルス性心筋炎,虚血性心疾患,サルコイドーシス,アミロイドーシス,等はいずれも否定的であり,原発性シェーグレン症候群に伴う心機能障害が疑われた.副腎皮質ステロイド剤による治療を開始したところ,自覚症状は軽減し,胸部X線,胸部CTにて間質性肺炎の像の改善を認めると同時に, EF 56%と左心機能は著明に改善した.左心機能障害を伴った原発性シェーグレン症候群は非常に稀で貴重な症例と考えられたので報告する.
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