全身性エリテマトーデス患者42名(活動性群5例,非活動性群37例)について,血漿中の免疫複合体(CIC)と補体活性化産物(Bb, C 4 d, iC 3 b, C 5 b-9)を測定し,疾患活動性との関連を検討した. CICは抗C 3 d抗体法(C 3 dCIC)とC 1 q固相法(C 1 qCIC)で測定した. C 3 dCICは,抗DNA抗体価やC 3, C 4, CH 50と相関し,臨床症状の再燃に先行して上昇するなど,活動性の指標として有用であったが, C 1 qCICは活動性との有意な関連は認められなかった.補体活性化産物の陽性率は, Bb 16.7%, C 4 d 38.1%, iC 3 b 85.7%, C 5 b-9 64.2%で,補体の活性化は,古典的経路が主体であったが,第二経路の関与も推定された.臨床的に寛解を維持している症例を,正常補体群とCH 50が25U/m
l以下の低補体群に分けて比較すると,低補体群でC 5 b-9が有意に高値を示し,潜在的な補体活性化が持続していると考えられた.また,経時的測定例では, C 5 b-9は,疾患活動性と平行して変動する傾向があった.
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