日本臨床免疫学会会誌
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12 巻, 6 号
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  • 竹内 正七
    1989 年 12 巻 6 号 p. 581-590
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 小野寺 秀記, 竹村 周平, 出口 雅子, 上田 正博, 大萱 真理子, 柳田 国雄, 福田 亙, 岡本 雅之, 笠松 美宏, 杉野 成, ...
    1989 年 12 巻 6 号 p. 591-598
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患群におけるびまん性汎細気管支炎の炎症学的特徴を理解するため,正常群,慢性閉塞性肺疾患群,びまん性汎細気管支炎群の補体蛋白量, CH 50, ACH 50, CHT 1/2%,補体成分活性および免疫グロブリンとIgGサブクラスを測定した.慢性閉塞性肺疾患に較べびまん性汎細気管支炎では, CH 50, CHT 1/2%や各補体蛋白成分の変動に乏しい反面, ACH 50の活性は亢進しており,補体第2経路に関与する補体活性因子の増加とともに抑制因子も増加している可能性が示された.上記3群間における免疫グロブリンやIgGサブクラスには有意差は認められなかった.
  • 田坂 佳千
    1989 年 12 巻 6 号 p. 599-607
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    臨床的に抗生物質による薬熱と診断された6症例を対象に,末梢血リンパ球表面マーカーの検討をmonoclonal抗体を用いtwo color flow cytometryにより行った.薬熱の発症早期において,活性化T細胞のマーカーとされるHLA-DR抗原陽性(以下HLA-DR陽性と略す)のT細胞(Leu-4+HLA-DR+)が健常成人に比し統計学的に有意な増加を示し(p<0.002: Mann-Whitney U-test),薬剤中止後経過とともに減少を示した.サブセットの解析(5例)では, HLA-DR陽性helper/inducerT細胞(Leu-3a+HLA-DR+), HLA-DR陽性suppressor/cytotoxic T細胞(Leu-2a+HLA-DR+)のいずれもがHLA-DR抗原T細胞の増加に関与を示したが,後者の増加がより優位であった.in vitroで活性化リンパ球のマーカーとして用いられる抗IL-2レセプター抗体を用いsingle color解析を行ったところ,健常成人群との差は認められなかった.そこで, HLA-DR陽性T細胞率が薬熱診断のための新しいパラメーターになりうるか否かを検討するために,臨床的に薬熱との鑑別が問題となる急性細菌感染症患者(15例)について末梢血HLA-DR陽性T細胞の解析を行い比較した結果,薬熱群のHLA-DR陽性T細胞率は統計学的に有意な高値を示した.
    以上より,末梢血HLA-DR陽性T細胞は,薬熱診断の新しいパラメーターとなりうる可能性が示唆された.
  • 吉川 敏一, 高野 裕久, 内藤 裕二, 市川 寛, 高橋 周史, 田崎 直宏, 安田 光徳, 杉野 成, 近藤 元治
    1989 年 12 巻 6 号 p. 608-614
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    OK-432とNocardia rubra cell wall skeleton (NCWS)がラット腹腔内より分離したpolymorphonuclear leukocyte (PMN)のスーパーオキシド産生能に及ぼす効果を,ウミホタルルシフェリン誘導体を用いた化学発光法により検討した.
    OK-432およびNCWSの8日間連続皮下投与によりPMNのスーパーオキシド産生能は増強し,とくに両者の併用群ではopsonized zymosan刺激時の産生能は著明に増強した.試薬とPMNの直接的incubationや, 3日間の連続皮下投与では, PMNのスーパーオキシド産生能増強効果はみられなかった.またわれわれの用いた条件下では, OK-432やNCWSはPMNの直接的なスーパーオキシド産生刺激剤としては作用しなかった.
    OK-432やNCWSの作用の1つにPMNのスーパーオキシド産生能増強効果が存在し,この効果はOK-432やNCWSを連続皮下投与することにより発現するPMNに対する間接的な効果であることが示唆された.
  • 藤枝 幹也, 脇口 宏, 荒木 久美子, 倉繁 隆信
    1989 年 12 巻 6 号 p. 615-622
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    成長ホルモン(GH)の免疫系に及ぼす影響を検討する目的で, GH分泌不全児12例について, GH(組み換え型GH, Somatrem:住友製薬)補充療法(週0.5U/kg週2~4回筋注)開始後のnatural killer (NK)活性,賦活NK活性, NK活性に対する抑制細胞能, lymphokine activated killer (LAK)活性および末梢リンパ球表面マーカーを測定し,治療前および正常対照34例と比較し,以下の結果を得た.
    1.治療前低値であった患児12例のNK活性は,治療後上昇し,対照児と差がみられなくなった.同一患児では,治療後は,治療前に比し活性は上昇し,治療6ヵ月後は,前に比して,有意(p<0.05)に高値であった.
    2.賦活NK活性およびNK活性に対するprostaglandin E2産生抑制細胞能は,治療前後で変化がみられず,患児と対照児の間で差がみられなかった.治療期間による差もみられなかった.
    3.治療前,低値であった患児9例のLAK活性は,治療後上昇し,対照児と差がみられなくなった.同一患児では,治療後は治療前に比して有意(p<0.05)に高値を示した.
    4.検討できた患児11例のLeu 7陽性細胞は,治療前後を通じて,対照児に比して有意(p<0.05)に低値が持続した. OKT3, OKT4, OKT8陽性細胞, OKT4/OKT8比は,治療前後で変動はみられず対照児と差がみられなかった.
    以上のごとく, GH補充療法に伴い, GH分泌不全のNK, LAK活性の回復がみられたが,細胞表面マーカーには変化がみられなかったことから, GHがkiller細胞の数でなく機能の調節に関与していることがうかがわれた.
  • 鈴木 貴博, 近藤 啓文, 柏崎 禎夫
    1989 年 12 巻 6 号 p. 623-629
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    2年以上経過を観察しえたMCTD 44例を対象として,肺線維症を合併したMCTDの臨床像を分析するとともに,抗ビメンチン,抗サイトケラチン抗体を測定し,本抗体陽性MCTDの臨床像も検討した.肺線維症の合併は19例43%に認められ,その臨床像ではSLEコンポーネントの頻度が低率で, PSSの診断基準を満足する症例が多かった. MCTDの肺線維症は軽症例が多く,呼吸機能検査でも%VC, DLco値の有意な低下はみられなかったが,動脈血酸素分圧は有意に低値であった.抗ビメンチン抗体は22例56%に検出され, proximal scleroderma,肺高血圧症,肺線維症などPSSのコンポーネントと相関する傾向が認められた。抗サイトケラチン抗体は6例15%に認めたが,臨床像に特徴はみられなかった.抗ビメンチン抗体がMCTDの肺高血圧症,肺線維症と相関する傾向が認められたことは,本抗体が膠原病の肺病変になんらかの関連をもつ可能性が示唆された.
  • 松林 秀幸, 山下 映子, 岡村 憲昭, 笠倉 新平
    1989 年 12 巻 6 号 p. 630-636
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    HEp-2細胞を基質とした抗核抗体検査において間接螢光抗体法を実施し,散在斑紋型の染色パターンを呈した56例を対象として,抗セントロメア抗体(ACA)の同定を行い, ACA陽性症例54例の臨床的意義を検討した. ACA同定には, Wil-2細胞を使用した染色体塗抹標本を作製し間接螢光抗体法を実施した.結果は, HEp-2細胞の散在斑紋型の染色パターン所見のみで96.4%のACA陽性が同定可能であった. ACA陽性症例の疾患分布は,全身性硬化症(PSS),レイノー病(単独)が39% (21例)にすぎず,シェーグレン症候群(SjS) 16.7% (9例), SLE 13% (7例), RA 5.5% (3例)と,他の自己免疫疾患が35.2% (19例)を占め,肝疾患,心疾患が,それぞれ5.5% (3例)を占めた.また完全なCREST症候群を呈した症例は1例しかなく,レイノー症状のみを合併した自己免疫疾患に比較的高率に出現した.また心疾患においてもACA陽性例を認めたが,いずれのCREST症状もみとめられなかった.
  • 斎藤 孝一
    1989 年 12 巻 6 号 p. 637-646
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    MCTD患者血清のIgG分画にペルオキシダーゼを標識し,酵素抗体直接法にてラットおよびヒトの種々臓器と腫瘍組織内,さらに各種培養細胞内のnRNP抗原の局在と分布を検討した.ヒトおよびラットの各種臓器の細胞核は, speckled型に染色されたが,ヒトの扁桃組織とリンパ節の単核細胞では染色像に差異が認められた.細胞質の染色はラットの脊髄前角細胞に陽性所見がみられ, RNaseで処理され, nRNP抗原の存在が示唆された.肝細胞癌の腫瘍結節においては,周辺部から中心部へと染色像の減弱することが観察され,培養細胞にてさらに検討すると,細胞分裂時にnRNP抗原の核内から細胞質部分への移動とその抗原密度の減少がみられた. nRNP抗原はmRNA前駆体のsplicing enzyme機能を有するが,組織,あるいはCell cycleによって抗原の局在や分布に違いがみられ, MCTD病像発現との関連についてはさらに検討が必要である.
  • 三田村 巧, 山上 敬司, 康 浩一, 戸村 好太郎, 唐崎 美喜, 西成田 進, 葉山 隆, 澤田 滋正
    1989 年 12 巻 6 号 p. 647-652
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    インタクト免疫グロブリン(pH 4処理)製剤およびF(ab')2(ペプシン処理)製剤がシリカ懸濁刺激ヒト単球のIL-1産生に及ぼす影響について検討した. IL-1の測定はマウス胸腺細胞のpeanut agglutinin(PNA)非凝集細胞の増殖能で行った.
    高濃度(mg/ml)のpH 4処理製剤およびF(ab')2製剤は無刺激ヒト単球にほとんどIL-1を産生させなかったが,シリカ懸濁刺激ヒト単球のIL-1産生には増強させた.
    また,低濃度(μg/ml, ng/ml)の精製IgGはシリカ懸濁刺激ヒト単球のIL-1産生を増強した.しかし,低濃度の精製F(ab')2フラグメントはシリカ懸濁刺激ヒト単球のIL-1産生になんら影響を及ぼさなかった. ELISA法によるIL-1の定量では, IL-1 α, βともに高濃度,低濃度IgG添加はシリカ懸濁刺激単独単球のIL-1 α, β産生を増強したが,低濃度F(ab')2フラグメント添加ではほとんどIL-1 α, β産生の増強はみられなかった.
    以上のことより,エフェクター細胞周辺の濃度と思われる低濃度では, F(ab')2製剤のほうが単球に及ぼす影響が少ないことが示された.
  • 小林 茂人, 寺井 毅, 田中 光彦, 菅谷 直樹, 杉本 正邦, 若林 芳久, 廣瀬 俊一
    1989 年 12 巻 6 号 p. 653-657
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    脾摘後に肺炎球菌や髄膜炎菌によって重篤な敗血症がおこり, overwhelming post-splenectomy infection syndrome (OPSI)として知られている.このため脾臓の感染防御機能を温存するため脾摘時に脾臓の自家移植術が考案されている.われわれは自己免疫性好中球減少症に血小板減少症を合併したcombined immunocytopeniaの症例に対して,脾摘後のOPSIを考慮して脾摘および脾臓自家移植術を施行したが,術後約1ヵ月でOPSIにて死亡した症例を経験したので報告する.症例は30歳,男性. 24歳から好中球減少のため感染症状を繰り返していた.今回咽頭炎のために入院し,抗好中球抗体陽性のため自己免疫性好中球減少症と診断された.経過中血小板減少症を合併し,さまざまな内科的治療が無効のため,脾摘および脾臓自家移植術を施行したが,術後約1ヵ月でOPSIにて死亡した.このことから脾自家移植術のOPSIに対する予防効果には限界があり,細菌ワクチンなどを併用することが重要であると考えられた.
  • 小林 茂人, 熊谷 安夫, 磯部 幸雄, 足立 山夫, 鈴木 不二彦, 橋本 博史, 廣瀬 俊一
    1989 年 12 巻 6 号 p. 658-662
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    今回著者らは大動脈炎症候群にSjögren症候群と肺線維症を合併し,粟粒結核による急性呼吸不全のため死亡した症例を経験した.症例は52歳,女性で15歳時に肺結核の既往がある. 44歳時心肥大,血沈の亢進,リウマトイド因子陽性を指摘され,このときより両耳下腺の腫脹が出現した.昭和60年3月他院にて精査の結果,大動脈炎症候群, Sjögren症候群,肺線維症などと診断され,通院治療を受けていた.同年7月粟粒結核に起因する急性呼吸不全により死亡した.大動脈症候群では,慢性関節リウマチをはじめ各種膠原病が既往歴または合併症として存在することが知られているが, Sjögren症候群の合併はまれであるため報告した.
  • 広畑 俊成, 石坂 信和, 高藤 繁, 林 道夫, 奥平 博一, 宮本 昭正
    1989 年 12 巻 6 号 p. 663-667
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Cyclophosphamideの静注により急性増悪を阻止した特発性間質性肺炎の1症例を報告する.症例は70歳女性.昭和60年12月感冒様症状に続き呼吸困難出現.近医にて肺線維症と診断され,昭和61年2月よりプレドニン開始し軽快. 3月減量により悪化し, 4月15日当科へ転院.両肺野のベルクロ音・胸部X線・呼吸機能検査などにより増悪と判断し,プレドニン60mg/日と増量し,呼吸困難の軽快と動脈血ガスの改善をみた.その後プレドニンを45mg/日まで減量し,急激に呼吸困難の増悪・PaO2の低下出現. Cyclophosphamide 400mgの点滴静注施行し,翌日には呼吸困難消失し, PaO2の上昇もみられた.その後さらにプレドニンを40mg/日まで減量した時点で再び急性増悪を生じ, cyclophosphamide 500mgの点滴静注施行し改善を認めた.本例では, cyclophosphamideの点滴静注が根底にある間質性肺病変の進行を阻止しえなかったものの,その急性増悪に対しては著効を示したと考えられた.
  • 鈴木 厚, 高品 尚哉, 岡田 純, 近藤 啓文, 大部 誠, 柏崎 禎夫
    1989 年 12 巻 6 号 p. 668-674
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    48歳女性.昭和44年2月全身倦怠感および多関節痛で発症.多関節炎,蝶形紅斑,脾腫,白血球減少,抗核抗体陽性などよりSLEと診断. Paramethason投与にて脾腫以外の症状軽快.昭和49年ころより脱毛,血小板減少出現.昭和52年上部消化管造影にて食道静脈瘤を認めた.昭和53年4月精査目的にて北里大学病院入院.肝シンチグラフィー,選択的腹腔動脈造影,肝静脈造影にて脾腫を認め,貧血,さらに門脈圧亢進症状としての副血行路形成の存在より本例は特発性門脈圧亢進症(IPH)を合併したSLEと診断した.食道離断術を施行後SLEは非活動性であったが,昭和58年6月悪心,嘔吐にて再入院.同年9月吐血にて他界した.剖検では著明な脾腫を認め,病理組織ではIPHに一致する所見を呈していた.
    本例はSLEの発症時にすでにIPHも合併していたと考えられ,なんらかの共通する免疫異常がSLEとIPHの両者の発症に関与している可能性が推測された.
  • 杉原 尚, 戸川 敦, 大槻 剛巳, 神崎 暁郎, 井上 信正, 萬納寺 正清, 八幡 義人, 真鍋 俊明
    1989 年 12 巻 6 号 p. 675-684
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Castlemanリンパ腫様の組織像を呈し全身リンパ節腫脹,高γ-グロブリン血症および消化管に多発性ポリープ様病変を有する65歳,男性例を報告する.患者は64歳のとき全身倦怠感出現し,近医にて貧血と高蛋白血症を指摘された. 1983年6月28日当科入院.入院時,全身リンパ節腫脹を認め,右下腹部には8×8cm大の境界不明瞭な軟らかい腫瘤を触知した.直腸診で結節状隆起を多数触知した.検査成績: Hb 7.3g/dl,血小板22.5×104l, WBC 8,400/μl,分画で異型リンパ球11%,骨髄有核細胞数33.7×104l,形質細胞7%,異型リンパ球5%. 125I-PVP test 2.39%, CRP 1.0mg/dl,寒冷凝集素価×1,024,トキソテスト×640, EBV抗体強陽性. TP 9.2g/dl, γ-glb 56.9%, IgG5,090mg/dl, IgA 677, IgM 169. IgG-κ型M蛋白(+). OKT 4: 10.7%, OKT 8: 17.6%, OKT 4/8比0.59.上部消化管透視:胃下垂と巨大皺襞を認め所々にpolypoid隆起を認めた.空腸,回腸にも同様にpolypoid病変を認めた.注腸透視:直腸および結腸に多発性ポリープ様病変を認めた.リンパ節生検像:〓胞の過形成および血管の増生を認め,一部には硝子化を認めた.全体に形質細胞の増殖が著しく集簇像を認めた.所々にWarthin-Finkeldey巨細胞様細胞を認めた.消化管生検像:胃,十二指腸,直腸ともに上皮には変化なく粘膜固有層に形質細胞,リンパ球の浸潤を認めた.直腸では血管の硝子化を示すものもあった.組織学的には,リンパ節,消化管は同一の病変と考えられた.
  • 西森 功, 森田 雅範, 山本 泰朗, 岡崎 和一, 松本 浩利, 田村 智, 山本 泰猛
    1989 年 12 巻 6 号 p. 685-688
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    外分泌腺導管上皮に対するモノクローナル抗体を用い膵抗原(PA3)を精製し,慢性膵炎, Sjögren症候群(SjS)などにおける特異的細胞性免疫応答をリンパ球幼若化反応により検討した.その結果,健常人: 0/14 (0%),特発性慢性膵炎: 5/20 (25%),アルコール性慢性膵炎: 3/12 (25%),胆石随伴性慢性膵炎: 0/7 (0%), SjS: 10/15 (67%), PBC: 1/8 (13%), SLE: 2/6 (33%),慢性甲状腺炎: 0/5 (0%)の陽性率であった.以上の成績より本抗原が慢性膵炎, SjSの病因あるいは病態に関与する標的抗原の1つである可能性が考えられた.
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