SSは唾液腺等の外分泌腺組織へのリンパ球浸潤を特徴とした自己免疫疾患であり,腺構造が破壊されて乾燥症状が惹起される.小児では稀少疾患と考えられていたが,最近の疫学調査では小児10万人あたり0.5~2.5以上の有病率が想定され,小児でもSLEに次ぐ頻度であることが判明した.
小児SSでは,腺組織へのリンパ球浸潤を認め,分泌機能低下があっても自覚的な乾燥症状に乏しいことが特徴であった.また長期間観察した報告から,分泌腺組織障害による分泌機能低下の進行は小児SSでは極めて緩徐であることが伺えた.その一方で,抗SS-A/B抗体やリウマトイド因子等の自己抗体は,成人同様に初診時から陽性であり,成人SSで特異的とされた抗α-fodrin抗体も小児SSでも高率に検出されていた.このことから,小児SSと成人SSとの間には本質的な病態の相異はないものと考えられた.
したがって小児SSの臨床像の特性は,SSの早期病態を反映したものであり,小児SSの診断には,早期病態を想定した小児SSのための基準が必要と思われた.また対症療法しかないSSの治療において,病態の寛解導入をめざした治療を確立するには,小児SSが絶好のターゲットと思われる.
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