患者は27歳女性, 1996年6月,蝶形紅斑,関節痛,微熱が続き, SLEの診断にてステロイド投与を開始した. 7月末,高熱が出現し,ステロイドを増量するが反応せず, 8月,ステロイドパルス療法を施行したところ,せん妄,見当識障害等の精神症状が出現,意識は一時昏迷状態を示した. 9月には両下肢麻痺,直腸膀胱障害が明らかとなった.血清抗リボゾームP抗体2833U/m
l,髄液IL-6107pg/m
lと高値であった.シクロフォスファミドパルス療法を行ったが,嗜眠傾向や発熱は治まらず,肝機能障害および骨髄抑制に続いてカリニ肺炎による呼吸不全を呈した.このため, 10月から血漿交換療法を施行し,以後,精神神経症状は改善し,発熱も認めなくなった.また,抗リボゾームP抗体,髄液IL-6は正常値となった.
ステロイドパルス療法を施行中に顕在化したCNSループスに対し,血漿交換療法が有効であった.また,診断には血清抗リボゾームP抗体,髄液IL-6が有用であった.
抄録全体を表示