抗セントロメア抗体(ACA)の臨床的意義を検討するため, ACA陽性患者18例について臨床像と免疫学的検討を行った.
臨床像では,レイノー現象が15例,関節炎13例,石灰沈着11例,食道機能低下・拡張10例,毛細血管拡張6例,皮膚硬化は3例,さらに手指のソーセージ様腫脹が1例にみられた.
ACAに共存する自己抗体では抗ミトコンドリア抗体4例,抗M
2抗体5例,抗平滑筋抗体2例,リウマトイド因子6例,抗マイクロゾーム抗体3例,抗血小板抗体3例,抗DNA抗体1例が検出された.検査成績ではAL-Pとγ-GTPの上昇が共に8例, IgM高値6例, IgG高値4例がみられた.胆道系酵素上昇群で免疫複合体が6例に検出され, PPD皮膚反応陰性が8例,リンパ球亜分画でOKIa 1の有意の増加傾向が認められた.
HLAは8例で検索し, ACAではB 51とDRw 8が日本人の抗原頻度に比し,有意差が示された.また, PBCとCREST不全型合併の2例にDR 9がみられた.
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