日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
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27 巻, 1 号
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総説
特集 : 新しい生物学的製剤を用いた難治性免疫疾患の治療
症例報告
  • 山本 元久, 谷口 博昭, 小原 美琴子, 鈴木 知佐子, 苗代 康可, 小関 至, 山本 博幸, 高橋 裕樹, 今井 浩三
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年27 巻1 号 p. 40-47
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/28
    ジャーナル フリー
    症例, 54歳女性. 2001年11月頃より, 両手指のこわばり, 関節痛が出現し, 次第に増悪したため, 2002年1月に近医を受診した. その際, 抗核抗体陽性, 肝機能障害を指摘され, 当科初診, 2月に精査加療目的に当科入院となった. 入院時, 抗核抗体および抗DNA抗体陽性, platelet-associated IgG上昇を伴う血小板減少, 関節炎より, 全身性エリテマトーデスと診断した. また肝機能障害に対して, 肝生検を施行したところ, グリソン鞘に形質細胞浸潤を認め, 自己免疫性肝炎と診断した. さらに汎血球減少, 著明な脾腫および食道静脈瘤を認めたことから, 腹部血管造影を施行したところ, 肝静脈楔入圧は軽度上昇を示し, 肝静脈のしだれ柳状変化, 肝静脈枝相互間吻合が発達している所見を得, 特発性門脈圧亢進症の合併も確認した. prednisolone 40 mg/日投与を開始したところ, 血球減少および肝機能障害は改善した. また半年後の内視鏡所見では食道静脈瘤は消失, 腹部エコーでは脾腫の改善を認めた. 全身性エリテマトーデスに合併する特発性門脈圧亢進症の基盤には, 自己免疫機序が想定され, ステロイドは治療の選択肢の一つになり得る可能性が示唆された.
  • 辻村 静代, 斎藤 和義, 徳永 美貴子, 中塚 敬輔, 中山田 真吾, 中野 和久, 澤向 範文, 名和田 雅夫, 田中 良哉
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年27 巻1 号 p. 48-53
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/28
    ジャーナル フリー
    IFN-α療法にて関節炎改善を認めたC型肝炎合併関節リウマチ (RA) 症例を報告する. 症例は49歳女性. 手指関節炎, 朝のこわばりよりRAと診断. 薬剤性肝障害を契機にHCV感染が判明. 以後各種Disease-modifying antirheumatic drugs (DMARDs) は奏功せず, 関節炎は増悪. Prednisolone (PSL) 3 mg投与にて関節炎は一旦寛解した. しかし, 発熱, レイノー現象, 皮疹出現とともに著明な関節炎再燃, X線変化を伴わない大関節の疼痛腫脹・蛋白尿・血尿・低補体血症・脾腫・Type IIIクリオグロブリン (CG) 陽性及び慢性活動性肝炎を認め, 慢性C型肝炎に伴うCG血症とそれに伴う活動性関節炎と診断. IFN-α療法施行したところHCV-RNAとCGの陰性化に伴い, 関節炎も劇的に改善した. 本症例は関節症状増悪の原因としてRAとHCVの肝外病変の鑑別を要し, HCV随伴CG血症による関節炎増悪にIFN-α療法が著効した興味深い症例である. HCV感染合併自己免疫疾患患者では双方の活動性及びINF-α療法の有効性を考慮した加療が必要であると考えられる.
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