日本臨床免疫学会会誌
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27 巻, 2 号
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総説
症例報告
  • 西成田 真, 半澤 みどり, 飯國 紀子, 太田 修二
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 27 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/28
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群 (SS) における乾性咳嗽は, 日常臨床で稀ならず遭遇する症状ではあるが, 有効な治療法は確立されてはいない. 近年, ムスカリン受容体刺激薬である塩酸セビメリンが登場し, SSにおける口腔乾燥症状に一定の有効性が確認されている. 今回, 我々は, SSの患者で乾性咳嗽を呈した9例に塩酸セビメリンを投与し, その効果について検討した. 評価の方法として, visual analog scale (VAS), フェイススケールを用いた. 9例中, 8例において乾性咳嗽の改善が認められ, 塩酸セビメリンの有効性が示唆された. SSにおける乾性咳嗽の病態の詳細は不明であるが, 塩酸セビメリンの投与が気道粘液の分泌の増加をもたらし, 乾燥気管支を改善することでの機序が考えられた. なお一層の多数例での解析が待たれる.
  • 加治 賢三, 五十嵐 敦之, 濱口 儒人, 佐藤 伸一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 27 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は61歳男性. 主訴は上眼瞼部の浮腫性紅斑. 2002年11月初旬より両上眼瞼部に浮腫性紅斑出現. その後乾性咳嗽も出現したため受診. 筋力低下なし. ヘリオトロープ皮疹, 両肘頭部に角化性紅斑局面があり, 血液検査ではCPK, ALDは正常, 免疫沈降法上, 抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体を含めすべて陰性で, 未知の140 kDaに対する自己抗体が陽性. PO2は69.5 mmHgと低下し, 胸部CTで間質性肺炎を認め, 経気管支鏡的肺生検 (TBLB) 上diffuse alveolar damage patternであった. 皮膚筋炎に特徴的な皮疹を有するが筋炎症状なく, 間質性肺炎を合併したamyopathic dermatimyositis (ADM) と診断. メチルプレドニゾロン1500 mgパルス2クール, プレドニン, シクロスポリン併用内服したが, 呼吸状態が悪化し, DICを併発し永眠. 本邦におけるADMは欧米と比べ治療抵抗性の急性間質性肺炎を合併する率が高い. ADMに特異的な自己抗体はいまだに見つかっていないが, 本症例は140 kDaの未知の蛋白に対する自己抗体が陽性であり, ADMに特異的自己抗体である可能性が示唆された.
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