日本臨床外科学会雑誌
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61 巻, 4 号
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  • 西村 元宏, 島田 順一, 川田 雅俊, 西山 勝彦
    2000 年 61 巻 4 号 p. 1066-1069
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    動脈内留置カテーテルによる治療は一般的となり成績も良好となっているが,合併症の報告も散見される.今回われわれは,抗癌剤の漏出と感染が原因と思われるカテーテル刺入部の動脈破裂の1例につき報告する.症例は76歳男性. S状結腸癌術後の多発性肝転移に対し右総大腿動脈より固有肝動脈にカテーテルを留置,リザーバーを右下腹部に埋め込んだ. 5-FU 300mg,ロイコボリン30mg/dayを5日間投与したが初回に漏出があり,創〓開とMRSA感染を併発し,出血を繰り返すため当科紹介となった.精査で仮性動脈瘤を認め瘤切除術を行った.右総大腿動脈には18×8mmの破裂口を認め,壊死組織と感染巣は十分に切除し洗浄の後,大伏在静脈のパッチで破裂口を閉鎖した.瘤壁は病理学的には結合組織のみであった.抗癌剤や感染による動脈損傷はその侵襲範囲を予測することが困難であり血管形成術や置換術も念頭におく必要があると考えられた.
  • 宗村 忠信, 塩野 恒夫, 関下 芳明, 藤森 勝, 押切 太郎, 寺本 賢一, 宮本 正樹, 大竹 節之, 加藤 紘之
    2000 年 61 巻 4 号 p. 1070-1074
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    酸・アルカリなど各種化学薬品の誤飲もしくは自殺企図による服用は上部消化管を内腔より腐食し,しばしば重篤な経過を呈することが知られている.われわれは硝酸を服用したために食道,胃,十二指腸,空腸,さらに胃穿孔のために腹膜までに腐蝕性変化をきたし治療困難な症例を経験した.
    症例は49歳男性,職業は宝石加工業.自宅で硝酸約100cc (推定)を服飲後,激しい腹痛を主訴に当院集中治療室へ入院,緊急手術となった.胃全摘,膵頭十二指腸切除,空腸を切除.膵管,総胆管,空腸断端はいずれも外瘻とし,食道下端は縫合閉鎖した.第17病日,多臓器不全のため死亡した.
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