応用地質
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42 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 駒崎 征明, 浦田 健司, 伊藤 史人, 氏平 増之, 徳永 哲信, 今野 慎也, 川村 洋平, 樋口 澄志, 川北 稔
    2001 年 42 巻 5 号 p. 264-273
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    著者らはケーブルセンサを用いた落石監視システムについて研究を進めてきた. しかし, ケーブルセンサ自体の破断強度は低く, そのまま実環境に敷設するには不十分である. したがって改良型として, ケーブルセンサをスチールワイヤの中心部に巻き込み補強したスチールワイヤ型ケーブルセンサ (SWCS) を提案している. 本研究では, SWCSを実斜面に敷設し実施したフィールド研究の結果, 次の事項が明らかになった. (1) 加速度計をSWCSに取り付け, その外周を手動により打撃する感度試験を行った結果, SWCSの出力電圧と加速度の関係はベキ関数式で示せる. また, この式を用いSWCSの出力電圧波形を加速度波形に変換することができ, センサごとの感度の違いがクリアできることを確認した. (2) 実斜面に格子状に敷設したSWCSは増幅倍率2倍で十分な出力電圧が得られた. また, 各chの出力電圧波形の立ち上がり時刻は落石の下方落下に伴い時間ずれが生じる. この立ち上がり時刻と出力波形により, 落石の落下挙動としての跳躍運動, 衝突, 落下軌跡等を読み取ることが可能である. さらに, トポグラフ表示により, 落石挙動を視覚的に把握できる. (3) SWCSの出力波形の立ち上がり時刻を結ぶ曲線から, 落石特性値 (最大速度残存係数: α, 等価摩擦係数: μ, 脚部における落下速度: V, 並進運動エネルギー: E) を算出でき, 防護工の設計に有効である. また, SWCSを現場に用い長期観測することで, 前兆としての大小の落石の累積頻度を計測することが実用上可能となる.
  • 平出 重信, 鈴木 浩一, 渡邊 眞紀子, 森島 済, M. B. COLLADO, J. D. RONDAL, 澄川 慎一朗, 吉田 正夫 ...
    2001 年 42 巻 5 号 p. 274-285
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    フィリピン・ピナツボ火山の噴火 (1991) による大量の噴出物は, 雨季における二次的な火山泥流 (ラハール) となり周辺地域に大きな被害を与えた. ラハールによる地下水環境の変化は農業復興に深刻な影響を与えており, 広域的な地下水調査が必要とされている. 本論では電気探査法による地下水調査の実用化を目的に, 採取した土壌試料による室内試験および現地調査を行った. その結果, ラハールと旧表土には比抵抗特性に有為な差が認められ, 比抵抗値からおおよその水分飽和度が推定可能であることがわかった. また, ラハール堆積地域の地下水の化学分析結果より, 硫酸イオン濃度が高い地点は地層の比抵抗が極めて低く, 近傍の低比抵抗の河川水が浸透したものと推定された. さらに, 現地での電気探査法 (垂直探査) 結果より, ラハール堆積層は高比抵抗層を示し, その下部に存在する低比抵抗層は帯水層と推定することができた. 以上より電気探査結果からおおよその地下水の深度と水質を推定できる可能性が示された.
  • 山中 稔, 後藤 恵之輔
    2001 年 42 巻 5 号 p. 286-293
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    雲仙普賢岳の噴火活動により, 莫大な量の火山性堆積物が発生した. 未だ山麓に大量に堆積しているこの火山性堆積物は, 土石流発生の危険性を有している. この火山性堆積物の建設素材としての有効利用の方策を検討することを目的として, 一連の静的および動的力学試験を実施した. とくに, 水浸時の強度低下や沈下量の増大について検討した.
    本研究で得られた知見として, せん断強度が大きく高い支持力が期待できることから基礎地盤材料への適用の優位性を有すること, 水浸時に強度低下や沈下量の増大を生じるため締固めを十分に行う必要があること, 液状化強度は高い値を呈することが明らかとなった. また, これらのことを考慮すれば, 雲仙普賢岳火山性堆積物の有効利用としては, 盛土・路床材料や基礎地盤として十分適用可能であることが判明した.
  • 廣野 哲朗, 高橋 学, 中嶋 悟, 池原 研
    2001 年 42 巻 5 号 p. 294-299
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    X線の吸収が弱い有機系材料のアクリル樹脂を用いて透水試験機を製作し, その試験機をX線CT装置の中に設置, 造影剤を透水させることによって, 供試体内の移流像をX線CT装置で撮影する試験法を開発した. この試験法によって, 供試体内の微小組織とその透水性との関係の議論が可能になった. 新第三系の凝灰質砂岩に発達する小断層では, 断層内の砂粒子の破砕作用の有無が, その断層内の透水性を左右することがわかった. また, 透水フロントの認定によって計算した断層沿いの局所的な透水係数の値は, 従来の試験方法でのそれに比べて1桁以上, 高い値を示すことが明らかになった.
  • 松本 孝之
    2001 年 42 巻 5 号 p. 300-307
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    本論では, 断層破砕帯上に橋梁を建設するために実施した地表地質調査とボーリング調査の結果とその評価について述べる. ボーリング調査により支持層を確認することができ, 橋梁建設が可能と判断した. 本断層破砕帯は中央構造線菖蒲谷断層系に属する第四紀の断層活動による破砕帯であるが, 最近数十万年以降は断層活動の中心が調査地よりも北方に移っていると推定され, 調査地における最近の活動は認められない. したがって, 調査地近傍に想定される活断層に基づく耐震設計を行うことにより対応できると提案した.
  • 松倉 公憲
    2001 年 42 巻 5 号 p. 308-313
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 稲垣 秀輝
    2001 年 42 巻 5 号 p. 314-318
    発行日: 2001/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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