応用地質
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60 巻, 2 号
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報告
  • 神原 規也, 佐藤 丈晴, 鈴木 素之
    2019 年60 巻2 号 p. 56-68
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    深層崩壊は誘因の面からは地震動に伴う深層崩壊,豪雨に伴う深層崩壊及び誘因の不明確な深層崩壊に分類され,その発生過程及び地形的素因は誘因毎に特徴がある.発生過程の特徴として地震動に伴う深層崩壊は,マグニチュード及び震度が5程度を超える地震動と同時期に,また広域にわたり多数発生する傾向がある.豪雨に伴う深層崩壊は典型的な事例では2~3日以上に及ぶ長時間の豪雨に伴い,豪雨の最中からほぼ収まった十数時間後までの間に発生し,また複数箇所発生することもある.誘因の不明確な深層崩壊は変状の発見から小規模なものでは数日,大規模な場合には数年後に3次クリープの過程を経て発生し,また基本的に単独で発生している.地形的素因の特徴として,地震動に伴う深層崩壊は地すべり・岩盤クリープ地形を必ずしも必須条件とせず,深層崩壊の発生域傾斜角は10°~40°の広い範囲に及んでいる.一方豪雨に伴う深層崩壊及び誘因の不明確な深層崩壊の典型的な事例は,傾斜量最頻値40°前後の急斜面を形成している岩盤クリープ地形の形成箇所において,豪雨を誘因とする深層崩壊では30°~35°,誘因の不明確な深層崩壊では35°~50°の発生域傾斜角で発生している.

解説
連載シリーズ 再生可能エネルギー(3)
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