応用地質
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39 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 池田 光良, 竹内 篤雄, 三浦 均也, 松枝 大治, 安田 匡
    1999 年39 巻6 号 p. 486-499
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    札内川扇状地とそれに隣接する猿別川扇状地は, 北海道十勝平野南部に位置する複合扇状地内の2つの流域をなしている. 従来, 両扇状地間の地下水の交流は無視できる程度とされてきたが, 調査の結果, 猿別川扇状地の地下には古札内川と考えられる埋没谷の存在が明らかになった. また, 地温, 安定同位体比の高度効果, 一般水質などの環境トレーサーと水収支を解析することにより, 札内川からその埋没谷を経由して猿別川へ1m3/sを越える地下水涵養があり, 猿別川扇状地の地下水流動に重要な役割を果たしていることが考えられた.
    近年, 地下水流動系規模での影響評価が必要となるケースが増えつつある. 本研究は環境トレーサーが理学的研究だけでなく, このような応用面でも有効であることを示唆している.
  • 長田 昌彦, 山辺 正, 吉中 龍之進
    1999 年39 巻6 号 p. 500-510
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/06/23
    ジャーナル フリー
    稲田花崗岩内の初期マイクロクラック分布について, 岩石薄片からのクラック抽出結果を画像解析することにより検討した. その結果, 薄片レベルにおいてクラックの空間的な分布は非常に不均質であることが明らかとなった. すなわち, 平均粒径が2mmである主構成鉱物が集合して平均間隔5-10mmのクラスター状に分布しているため, 岩石内で主に石英内に密集して分布している比較的長いクラックの分布もクラスター状となる. 稲田花崗岩の石目はクラック方向分布の最頻値の大きさによって特徴づけることができる. rift面を形成するクラックは長いものが多く粒間クラックが発達するが, 方向分布の散布度は小さい. grain面を形成するクラックにも比較的長いものが多いが, rift面を形成するクラックよりは本数が少なく, 散布度が大きい. それらに比べてhardway面を形成するクラックは短く, 本数も少ない. 一方, 各面におけるクラック長さの頻度分布は, 方向によらずほぼ同様の傾向を示す. また, 長さ別の方向分布は計測限界によらず相似形となる. 石切場におけるgrain面の方向とクラックの方向分布とは10-20°ほど異なり, クラック分布という観点から見ると稲田花崗岩は完全な直交異方性材料ではないと考えられる. また, このようにクラック分布が石目の主軸からずれていることが, 三軸圧縮試験時の最終的な破断面形成に大きな役割を果たしていると考えられる.
  • 泥岩トンネル坑壁の風化速度と微生物の影響
    大山 隆弘, 千木良 雅弘, 大村 直也, 佐々木 和裕, 長岡 亨
    1999 年39 巻6 号 p. 511-523
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    堆積性軟岩は, 地下の還元的環境にあった岩石が掘削により地表に露出すると急速に風化が進行することがあり各種の土木構造物に影響を及ぼしている. このような堆積性軟岩の風化速度と微生物の影響を明らかにするために, 掘削後45-85年経過した泥岩の素掘りトンネル (千葉県南部, 上総層群) の坑壁のボーリング調査を行い, 鉱物・化学分析, 物理試験および微生物の培養試験を行った. 坑壁では, 黄鉄鉱の酸化による硫酸の生成, 炭酸塩の溶解, 石膏の生成などの化学的風化が生じていた. 坑壁の酸化速度から, 酸素の拡散反応を考慮して, 岩石中の酸素の有効拡散係数Deを得た. Deは各岩石の透水係数Kと相関が認められ, 岩石の化学組成と透水係数から, 不飽和領域での岩石の酸化速度を推定できることが明らかになった. 岩盤中から遺伝子増幅法で, 微生物に特異的な遺伝子を検出したが, 培養法では微生物の存在は確認できなかった. 岩石内部では微生物が直接的に黄鉄鉱の酸化促進に寄与している可能性は少ないものの, 微生物は岩石内部にも存在することが明らかとなった.
  • 周 啓友, 嶋田 純, 佐藤 朗
    1999 年39 巻6 号 p. 524-532
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    本論文では順問題に有限要素法を用いて, 比抵抗トモグラフィを土壌水時空間変動のモニタリングに応用するための, 三次元土壌比抵抗を逆解析する補修法を提案した. 有限要素法の順問題から, 感度の計算, 初期モデルの形成まで, 補修法を利用して逆解析する各過程を説明した. 最後には, 補修法の有効性を示すために, 2つの数値実験と野外で測定したデータの逆解析についての結果を述べた. この補修法によって, 初期土壌比抵抗モデルは計算電位が測定電位に近づくように一歩一歩修正される. 1つの測定イベント (同じ電流電極と入力電流を持っている二極法の測定集まり) はモデル修正の一歩を構成する. このアルゴリズムは1つの測定イベントから得たデータの数がモデルのパラメーター数より少ない場合, 測定イベントの数が測定機械の性能或いは探査の目的によって変わる場合, さらに比抵抗が時間とともに変わっている場合にも適応する. 数値実験と野外で測定したデータの逆解析はこのアルゴリズムの有効性を示した. しかし, 土壌表面のみで測定されたデータだけでは, 三次元土壌比抵抗を完壁に再現するには不十分であり, ある程度の土壌内部における測定データも必要であることが示された.
  • 林 為人, 高橋 学, 西田 薫, 張 銘
    1999 年39 巻6 号 p. 533-539
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 孝
    1999 年39 巻6 号 p. 540-544
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 1999 年39 巻6 号 p. 558
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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