応用地質
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43 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 五十嵐 敏文, 井筒 崇文, 岡 泰道
    2002 年 43 巻 4 号 p. 208-215
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    2種類の粉砕した黄鉄鉱試料に対する酸化・溶解速度を評価するために, 好気的条件下でのバッチ溶出試験を行い, 溶出水のpH, 酸化生成物である鉄イオンや硫酸イオン濃度の変化を測定した. その結果, 溶出水pHは黄鉄鉱の種類, 固液比, 溶出期間に依存し, 溶出水pHの低下とともに電気伝導度, 鉄イオン濃度, 硫酸イオン濃度が上昇した. 化学形態分析によれば, 鉄はFe (II) イオンとして, イオウは硫酸イオンとして溶出した. Fe (II) イオンや硫酸イオンの溶出速度に関しては, 2種類の試料どちらに対しても溶出初期においては, 固相濃度に関する一次反応によって溶出することが明らかになった. 溶出期間の増加とともに, いったん溶出水濃度が一定になった1つの試料に対しては, その後溶出期間の1/2乗で溶出水中のFe (II) イオンや硫酸イオン濃度が増加することがわかった. これは, 黄鉄鉱内部における拡散が溶出速度を律速することを示唆している. すなわち, 溶出初期においては黄鉄鉱表面からの溶出が, その後黄鉄鉱酸化物層を通しての拡散という2段階の溶出機構によって黄鉄鉱の酸化・溶解反応が進行することが見出された. ここで見積られた拡散係数がおよそ10-16cm2/sという低い値であったことから, 黄鉄鉱の酸化・溶解に伴う影響は溶出初期に大きいことが予想された. また, 黄鉄鉱の粒径が小さくなるとともに, pHが低下し, 電気伝導度, Fe (II) イオン濃度, 硫酸イオン濃度が上昇したが, 溶出速度に顕著な相違は認められなかった.
  • 西山 賢一, 松倉 公憲
    2002 年 43 巻 4 号 p. 216-225
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    時代の異なる段丘堆積物中の砂岩礫を用いて, 35万年間における風化による砂岩礫の物性変化速度を検討した. 間隙率, CT値といった物理的風化指標値, 引張強度値, ならびにゲータイトの生成量を反映する色彩値のb*値は, いずれも風化継続時間の前半 (0~120ka) での変化量が大きい. 一方, 間隙の連結程度を反映する平均間隙径と, ヘマタイトの生成量を反映する色彩値のa*値は, 風化継続時間の後半 (250~350ka間) での変化量が大きい. また, 比表面積と化学的風化指標値は, 350ka間を通じて一定の変化率を示すことがわかった. この結果から, (1) 物理的風化指標値および力学的風化指標値の時間的変化パターンは互いに類似し, 風化継続時間の前半における変化量が大きいこと, (2) ヘマタイトの生成ならびに間隙の連結程度の増加は, 風化継続時間の後半でより顕著になること, (3) 化学的風化指標値の時間的変化は, 比表面積の増加率に規制され, 350ka間の変化率が一定であることが明らかとなった.
  • 福塚 康三郎, 金折 裕司
    2002 年 43 巻 4 号 p. 226-234
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    島根県南西部に位置する弥畝山西断層の地形・地質学的な特徴を明らかにするとともに, 広域的な視点から断層と地震活動ゾーンとの関連性を検討した. さらに, 既往の重力異常を利用して弥畝山西断層の地下構造を推定した. 弥畝山西断層は長さ約30kmで, 断層のほぼ全域に沿って, 断続的にリニアメントが認められる. リニアメントの明瞭度や変位地形の有無に基づくと, 弥畝山西断層は北部と南部の2つのセグメントに区分される. 北部セグメントは多くの河谷に系統的な右横ずれが確認され, 活断層である可能性が高い. 一方, 南部セグメントは明瞭なリニアメントが認められないことから, 活断層である可能性は低いと判断された. また, 北部セグメントに沿って, Mj2.0以上の地震活動や2.0~3.0mgal/kmの重力異常の急勾配が認められた. これに対して, 南部セグメント周辺では地震活動は観測されておらず, 重力異常の勾配は0.5~1.5mgal/kmの範囲にある. これらのことから, 弥畝山西断層の北部セグメントは, 地殻深部まで達する大規模な断層であることが指摘される.
  • 高橋 学, 林 為人, 廣野 哲朗, 山本 由弦
    2002 年 43 巻 4 号 p. 235-238
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    岩石の内部構造を可視化する目的でマイクロフォーカスX線CT画像を取得した. Berea砂岩と白浜砂岩のインタクトな供試体を用いて内部空隙の3次元 (MPR) 画像を取得したところ, 粒子の骨格構造を十ミクロンの精度で鮮明に見ることができ, 従来の医療用CT画像より分解能の高い画像を得ることができた. また, 三軸試験を行ったBerea砂岩の破断面中心部の画像から, 粒子の破砕の様子や破砕された粒子の配列に関する情報も読み取ることができた. マイクロフォーカスX線CT技術が内部空隙の可視化に有効なツールであることが確認できた.
  • 平出 重信, M. B. COLLADO, J. D. RONDAL, 鈴木 浩一, 森島 済, 渡邊 眞紀子, 衣笠 善博
    2002 年 43 巻 4 号 p. 239-243
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    1991年6月のピナツボ火山噴火により, 火山周辺地域の地下水は多大な影響を受けた. そのため, 浅井戸灌漑施設の開発に有効かつ簡便な地下水探査手法が求められている.
    平出ほか (2001) はPasig-Potrero川流域において, 電気探査法垂直探査を用いた地下水探査手法を提唱した. そこで本研究は電気探査法垂直探査 (ρ-a法) の有用性を評価するため, ボーリングおよび観測用井戸における地下水位測定を行って, 電気探査法垂直探査の精度を検証した.
    本研究で得られた知見は以下のとおりである.
    1) ボーリング調査の結果から, 電気探査法垂直探査 (ρ-a法) は全体的な地層構成を把握することが可能である.
    2) 定点観測の結果から, 電気探査法垂直探査は降雨の有無にかかわらず再現性を有する.
    3) 雨季と乾季の解析結果の比較から, 電気探査法垂直探査は簡便な地下水探査手法の要請が強い調査地域では適用可能な精度を有している. 地下水探査の精度は1.1~1.2mである.
  • 川崎 了, 谷本 親伯, 小泉 和広, 石川 正基
    2002 年 43 巻 4 号 p. 244-248
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    国内の数地点より採取された岩石コアを対象としたエコーチップ硬さ試験, 一軸圧縮試験および弾性波試験を行い, 得られた硬さ指標と力学特性の相関関係について検討を実施した. その結果, 硬さ指標を用いて岩石の一軸圧縮強度が大略推定できる可能性が大きいことがわかった.
  • 応用地形学研究小委員会
    2002 年 43 巻 4 号 p. 249-256
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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