応用地質
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40 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 愛媛県三波川帯藤原岩体の事例
    大河内 誠, 奥田 英治, 宮村 滋
    1999 年40 巻3 号 p. 124-136
    発行日: 1999/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    同一露頭で複数の節理が存在する場合, それらの節理に沿う岩盤の劣化状況が一様でないことがしばしば観察される. このことは, 節理ごとに劣化の進行度が異なることを示している. また, 節理面沿いには, 新鮮部から風化部にかけて「新鮮→節理面褐色化→周辺岩盤への風化の進行」といった過程が一般に認められる. このような現象から節理面沿いの褐色汚染は, 亀裂性岩盤における風化の初期段階の現象ととらえることが可能であろう. 筆者らは, 各節理面上の褐色汚染状況を記載することによって節理の劣化傾向の把握を試みた. その結果, 最も新期の活動で形成した節理の劣化が顕著であること, および現地下水面, 過去の地下水面付近に位置する低角度節理の劣化が顕著であることが把握された.
  • ニジェール国, ブルキナファソ国のゴルビ川流域を事例として
    中原 正幸
    1999 年40 巻3 号 p. 137-148
    発行日: 1999/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    サヘル地帯では, 気候変動や人間活動の影響によって砂漠化が進行している. 本調査は砂漠化防止対策の一環として, 水資源の賦存形態を把握し, その開発について検討したものである.
    調査地域は, ニジェール, ブルキナファソ両国にまたがるゴルビ川流域である. 流域の降雨は5~9月の雨季にのみ認められ, 年間降雨量は200~1,200mmである. 河川は季節河川であり, 流出は6月に始まり10月上旬に終わる. 年間流量は平均2.6億m3である. 流域の河川は流域面積によって流出状況の区分ができる. 帯水層は大きく三つに区分でき, 先カンブリア時代の花崗岩・変成岩中の基盤岩帯水層, 第三紀のコンチネンタルターミナル層中の第三紀帯水層, および第四紀河床堆積物中の沖積帯水層である. この地下水は年間を通して利用できる. 流域の水循環をタンクモデルによって推定すると, 蒸発散が66%, 河川流出が5%, 地下浸透が29%である.
    このような水資源の特性を考慮すると, 乾季では地下水やダム貯留水の利用, 雨季には地表水や地下水を利用するのが有効である. 具体的には堰や地下水の涵養をかねた低ダムの築造や, 各帯水層を対象とした井戸開発である.
  • 三田村 宗樹, 吉川 周作
    1999 年40 巻3 号 p. 149-158
    発行日: 1999/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    大阪平野地下の第四紀層に挟まれる16層の海成粘土層 (Ma-1層~Ma10層) 基底面の深度分布について, 13本の深層ボーリング資料を基に統計的手法を用いてその特徴を検討した.
    その結果, 大阪平野地下の標準層序とされるOD-1ボーリングを基準とすると, その他のボーリングの海成粘土層の基底深度分布は二つの係数 (層厚係数・垂直変位係数) で一次の線形近似ができることを明らかにした. これらの線形関係をもとにOD-1ボーリングを基準にした各海成粘土層の基底深度に関する確率分布を求め, 大阪平野地下における標準的な確率分布曲線を作成した. この曲線は層厚係数・垂直変位係数を用いて適当な深度補正を施すことで大阪平野地下の海成粘土層の分布や地質構造を表しえるものである.
    そこで, この曲線を利用して, 反射法地震探査で得られる深度断面の解釈への応用を予察的に検討した. 深度断面に示される反射面と層厚係数・垂直変位係数で深度補正した確率分布曲線との相関をとり, 相関係数の変化から反射面と海成粘土層基底面との対比を試みた. その結果, この手法は, 深度断面に表された断層の活動度や海成粘土層の3次元的広がりを押さえるのに有効であることが示された.
  • 小坂 和夫, 竹村 貴人
    1999 年40 巻3 号 p. 159-165
    発行日: 1999/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    インタクトな花崗岩類の場合でも, 構成鉱物粒内には多かれ少なかれ変形微小構造が形成されている. それらの微小変形構造は, 微小割れ目形成, 微小断層, 微小褶曲, 回復, 再結晶という過程を通じて形成される. これらの微小変形構造の中のサブミクロンサイズの割れ目やガウジはインタクトな花崗岩類の拡散や透水の通路になっている. 実際に, 過マンガン酸カリウム水溶液を用いた毛管実験によって, いわゆるマイクロクラックやグレインバウンダリー以外の鉱物粒内にも水溶液の通った痕跡がEPMAにより確認される. 変形微小構造内にサブミクロンサイズの割れ目やガウジが多く作られていることから判断して, インタクトでマイクロクラックの少ない花崗岩類の拡散や透水を評価する上で, 偏光顕微鏡による変形微小構造の種類や量の評価は重要な視点となろう.
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