応用地質
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57 巻, 1 号
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論文
  • 草野 由貴子, 鈴木 浩一, 徳永 朋祥
    2016 年 57 巻 1 号 p. 2-14
    発行日: 2016/04/10
    公開日: 2016/06/04
    ジャーナル フリー
    大陸棚上の島嶼である隠岐島前・中ノ島における地下の塩水・淡水分布の解明を目的とし,CSAMT法電磁探査により比抵抗2次元断面を得るとともに,現地で採取した岩石試料の比抵抗を計測した.中ノ島では陥没構造を形成した推定断層の存在が既往研究により示唆されており,比抵抗2次元断面にみられた構造は,断層による地質構造の相違を示していると解釈された.陥没構造内部では,地表~標高約-100m前後で高比抵抗,標高-100~-200m前後で低比抵抗,その下部で高比抵抗,さらに深部で低比抵抗を示した.現地の岩石試料の比抵抗計測結果に地下水の化学組成を併せて考察すると,地表~標高約-100m前後の高比抵抗領域は現在の気候下で涵養された淡水地下水の存在領域,標高-100~-200m前後の低比抵抗領域は塩濃度の高い地下水の存在領域,その下位の高比抵抗領域は現在よりも寒冷な気候下で涵養された塩濃度の低い地下水の存在領域,さらに深部の低比抵抗領域は塩濃度の高い地下水の存在領域であると考えられた.また,陥没構造外部では,地表~標高-50m前後に高比抵抗領域,その下位に低比抵抗領域がみられ,その境界は表層の火山岩とその基盤の堆積岩との岩相の相違であると解釈された.
  • 幡谷 竜太, 柳田 誠, 鳥越 祐司, 佐藤 賢
    2016 年 57 巻 1 号 p. 15-26
    発行日: 2016/04/10
    公開日: 2016/06/04
    ジャーナル フリー
    我々は我が国の沖積層基底の深さを調べ,地層処分で求められる将来10万年後の下刻のリスク分析を行った.沖積層基底の深さは河川の営力と海水準低下によって引き起こされる下刻の良い指標である.このデータの分析から,隆起域における後期更新世以降現在までの氷期/間氷期1サイクルの間に生じた下刻量は,当該地点のその期間の隆起量に約100mを加えたものが最大であると考えられる.斉一観に基づき,この結果の時間軸を反転させて考えれば,将来予測を得る.沈降域の評価は今後の課題である.
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