応用地質
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45 巻 , 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 中村 裕昭, 橋本 陽子, 大塚 文哉
    2004 年 45 巻 5 号 p. 224-237
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    水田から浅層地下水へのかん養と地下水からのかんがい用揚水が, 農業地域の水収支に果たす役割を定量的に把握することは, 健全な水循環確保の視点での, 地下水保全かつ地下水適正利用上の重要な課題である. ここでは, 浅層地下水の水収支を簡易かつ定量的に把握する目的で, 国営農業水利事業単位程度の地域を対象として, 貯留タンクモデルによって, 現況再現モデルを構築し, そのモデルを用いて, 水田から浅層地下水へのかん養がなくなった場合, 地下水からのかんがい用揚水を止めた場合の浅層地下水の水収支ならびに浅層地下水位挙動を予測した. 本解析によって, 当該構築モデルが農業地域の水田かん養と揚水が果たす役割を定量的に評価できる手法であることを示した.
  • 松崎 達二, 角田 地文, 石丸 恒存, 鎌田 浩毅, 檀原 徹, 岩野 英樹, 吉岡 哲
    2004 年 45 巻 5 号 p. 238-248
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    大規模火砕流が地表を覆う範囲は広範囲であり, 給源から数十km以上に及ぶ. このため地質環境の長期安定性評価の観点から, 火砕流の堆積による基盤岩への熱的影響を検討しておくことは重要である. 木研究では, 大規模火砕流により基盤岩の被った熱的影響を, フィッション・トラック (FT) 法を用いて把握し, さらに地下深部の熱履歴を外挿する解析手法の構築と, 実際の熱的影響の検証を試みた. その結果, 大規模火砕流の一つである今市火砕流の基盤岩への熱的影響として, 火砕流の基底面から深度100mの位置で60℃の温度上昇が生じた可能性があると想定できた.
  • 神尾 重雄, 太田 直樹, 宇部 昌司, 福井 謙三, 齋藤 和春, 桑原 啓三, 渡辺 文雄, 斎藤 秀樹, 東瀬 康隆, 竹本 将, 佐 ...
    2004 年 45 巻 5 号 p. 249-258
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    山地や丘陵地における大規模構造物の候補地点の選定にあたっては斜面の安定性が重要なテーマとなる. しかし, 岩盤ゆるみ斜面は分布が広く, かっ地形的特徴が不明瞭なために, ボーリングや横坑による調査では数量が多くならざるを得ず, 多くのコストと時間が必要になる.
    本研究では現在までに対策が行われた苫田ダム下流の岩盤ゆるみ斜面の事例をもとに, 近年開発された屈折法地震探査トモグラフィ的解析法を用いた既往データの再解析結果と地山状況を対比した. その結果, 岩盤ゆるみ斜面のゆるみ領域頭部に一連の凹み構造からなる特徴的な速度層パターンが現われることが明らかになった. この特徴的なパターンを識別することによって, 地すべり斜面とゆるみ斜面をある程度, 識別でき, 調査数量を軽減できる可能性がある. しかし, ゆるみ領域の下限深度の判定はトモグラフィ的解析のみでは困難であり, この場合には, ボーリング孔等を利用した弾性波トモグラフィが必要となることを示した.
  • 向山 栄, 佐々木 寿, 高見 智之, 小山 嘉紀, 塚本 哲, 稲葉 千秋, 小田 三千夫
    2004 年 45 巻 5 号 p. 259-268
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    平成15年十勝沖地震 (2003年9月26日発生; Mj8.0) により, 震央から約230km離れた北海道網走支庁常呂郡端野町で, シラスの液状化に起因する土砂流動災害が発生した. 変状は, 火砕流台地上において谷埋め盛土により造成された農地で発生したもので, 地表部に陥没と亀裂を伴う数千m3以上の土砂流動現象が生じ, 近傍の農地と小河川を埋積した. この現象は, 陥没域の低所側末端部に生じた数箇所の噴砂孔から, 多量の火山灰が絞り出されるように流出する間, 陥没域表層部の非液状化層が顕著に側方へ流動した痕跡がなく, 陥没に伴う地表亀裂からは噴砂がほとんど見られないことが特徴である. これは既往の地震時の液状化に起因する斜面変動と異なる形態的特徴と考えられ, 本報告では「絞り出し流動現象」と呼ぶ.
    今回変状が発生した谷埋め造成地は, 起伏量が小さく傾斜のゆるい丘陵地内にあり, 空中写真判読や地形図読図の手法で人工改変地形の範囲を特定することは簡単ではない. 本調査で実施した, 航空機レーザ地形計測による細密DEMに基づく地形量の視覚表現は, 微地形の再現性がよく, 大縮尺地形図のない丘陵地などの緩傾斜地において造成農地の形状を把握する手段として期待できる.
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