応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
ISSN-L : 0286-7737
40 巻 , 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 大島 洋志
    2000 年 40 巻 6 号 p. 333-339
    発行日: 2000/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    今から20年ほど前, 山陰本線奈古-長門大井間で大規模斜面崩壊があった. 崩壊は2か月の間に前後3回生じた. 第2回目の崩壊の後現地調査をした筆者は, 運転再開は上部の土塊を除去したうえで行うべきと主張したが, 不本意ながら地すべり観測による運転規制をするという条件で, 運転再開に妥協してしまった. しかし, 不安は現実のものとなり, 再開2週間後に第3回目の崩壊が発生した. 列車通過40分後の崩壊であり, まかり間違えば大惨事になる可能性をもった災害であった.
    なぜ, こういう事態になったのか. 過去のデータやメモ・記憶等をもとに, 災害を再度振り返り, そこから得られる反省と教訓とを整理する.
  • 近藤 達敏
    2000 年 40 巻 6 号 p. 340-345
    発行日: 2000/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    トンネル工事における工事費の増大や工事期間の遅延など難航の原因となる地質事象の有無を地質調査によって的確に予想することは土木地質における重要課題の一つである. しかしながら, 事前の地質調査の予想が実際と大きく異なりトンネル工事が難航する場合が多い. 地表地質踏査を主とする土木地質調査は, 野外やボーリングあるいは調査横坑などの地質露頭の観察に基づく帰納法的手法を主とするが, わが国における地質構造の複雑さと表土層や風化層の厚い条件のために必要な精度と分解能を有する地質図の解を一義的に求ることはきわめて困難と言える. 本論においては, トンネルにおける地質調査の主たる目的がリスク要因の評価ならびに地盤物性の評価にあることを明らかにし, 地質調査の的中精度を高めることを目的とした帰納的最適化地質調査法を提案している.
  • 白井 慶治, 那須 誠
    2000 年 40 巻 6 号 p. 346-354
    発行日: 2000/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    トンネルは建設中あるいは建設後に崩壊等の変状を起こすことがあり, このようなトンネルの変状防止についての資料を得るため, 過去約40年間の既発表文献から調査が比較的よくなされた崩壊事例を抽出して, 地質とトンネルの崩壊との関係について検討を行った.
    その結果, トンネルの崩壊が地質条件ときわめて密接な関係があり, 異種地質の境界でとくに切羽から離れたところで比較的大きい崩壊が生じやすいことが見い出された. ここに異種地質境界におけるトンネルの崩壊状況と地質条件ならびに崩壊発生機構の推定結果, それらに基づく調査・設計・施工・維持管理時の留意点について述べる.
  • 田中 威
    2000 年 40 巻 6 号 p. 355-366
    発行日: 2000/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    資源開発は資源探査から始まる. 資源探査と応用地質調査はその技術と目的に関して多くの共通点を有しているので, 両分野はもっと緊密に協力して行かなければならない. 応用地質調査で用いられている技法と知識の中で, とくに地震探査, 岩石力学に基づいた断層・裂か系の数値解析, 岩盤分類, 地下水水理学は資源探査に対しても重要な役割を演じる. その逆に, 資源探査技術の応用地質調査への適用は地表・地下の地質調査, 物理探査・地化学探査, ボーリング, 変質帯調査等において最も有用である. 今日, 土木建設の規模が大きくなり, かつて鉱山地質学の分野で必要とされた地下の地質データが応用地質調査の分野でもますます重要になりつつある. このように両者の間に密接な関係があるので, 地質技術者の中で比較的若い時期にこれら2つの技術を習得した者は, どちらか1つに習熟した者よりも広い視野が得られるであろうという点を, とくに強調しておきたい. また, 地球を相手とする両分野のうちどちらかに従事する場合でも, 今後は地球環境問題を含む環境予測をシステム論的に実行することが重要である.
  • 塩崎 功, 猪狩 哲夫, 大沼 和弘, 山本 浩之
    2000 年 40 巻 6 号 p. 367-373
    発行日: 2000/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    粘板岩, 砂岩地域における赤石沢トンネルの建設工事において, 大量湧水に伴って坑内酸素濃度が18%程度にまで低下したため, その原因を究明するための水質調査を実施した. 調査項目は, 溶存酸素, 酸化還元電位, pH, 電気伝導度, 水温, イオン濃度, トリチウム, 酸素-18, 重水素である. その結果, 酸素濃度の低下は, 坑内に噴出した溶存酸素濃度の低い湧水に坑内の酸素が溶解したことによるものであることが判明した.
feedback
Top