応用地質
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50 巻 , 1 号
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論文
  • 長谷川 健, 松岡 稔幸
    原稿種別: 論文
    2009 年 50 巻 1 号 p. 2-15
    発行日: 2009/04/10
    公開日: 2012/02/24
    ジャーナル フリー
     領家帯に代表される弱磁気異常地域における空中磁気調査の適用性について検討した.調査地域は領家帯に属する土岐花崗岩の分布域を含む約40km四方の領域であり,測線間隔は400m,センサーの対地高度は400mである.データ処理の結果,日本でもっとも磁化率の低い花崗岩の一つとされていた土岐花崗岩に起因すると考えられる磁気異常が検出された.この結果を検証するため,深度1,000m級のボーリング孔のコアの磁化率を測定した結果,土岐花崗岩は比較的大きな磁化率(2×10-3(SI))を持つ部分と,極めて低い磁化率(5×10-5(SI))を持つ部分に大別されることが明らかになった.また,この土岐花崗岩中で比較的高い磁化率を持つ部分の3次元分布をモデル解析によって求め,このモデルが空中磁気調査データに現れた磁気異常を十分説明できることを示した.さらに,瑞浪層群中の蜂屋累層および中村累層の自然残留磁気に起因すると考えられる磁気異常や,美濃帯の堆積岩類分布域に土岐花崗岩と同程度の規模の花崗岩類が地表近くまで貫入してきている可能性を示す磁気異常を抽出することができた.以上のことから,領家帯に代表されるような弱磁気異常地域においても,空中磁気調査は地質構造調査法として活用し得ることが示された.
  • 吉田 英一, 大嶋 章浩, 吉村 久美子, 長友 晃夫, 西本 昌司
    原稿種別: 論文
    2009 年 50 巻 1 号 p. 16-28
    発行日: 2009/04/10
    公開日: 2012/02/24
    ジャーナル フリー
     断層周辺に形成される‘ダメージゾーン’について,岐阜県東部の阿寺断層を事例に調査研究を行い,断層周辺岩盤の苗木-上松花崗岩および濃飛流紋岩に,おおよそ断層から200m程度の範囲において,‘ダメージゾーン’が形成されていることを確認した.この‘ダメージゾーン’には,酸化物で充填された連続性の悪いネットワーク状の割れ目が発達するのに対して,断層影響の及んでいない岩盤中には,連続性が良く熱水性起源の充填鉱物を有する単一割れ目が卓越する.このことは,結晶質岩体中の割れ目は,岩体形成の早い段階で形成されたと思われる割れ目と,断層運動によって断層近傍に発達する連続性の悪いネットワーク状割れ目の2種類に分類可能であることを示す.これらの知見は,割れ目形態と充填鉱物の相違・組み合わせを用いることで,断層運動に伴う後生的に形成される割れ目と岩体内部にすでに形成されていた割れ目を識別し得ることを示している.このような割れ目形態・充填鉱物に注目した野外調査手法・割れ目解析方法は,地下備蓄や放射性廃棄物地層処分場などのサイト調査手法としても有効と考えられる.
短報
  • 和嶋 隆昌, 池上 康之
    原稿種別: 短報
    2009 年 50 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2009/04/10
    公開日: 2012/02/24
    ジャーナル フリー
     地熱発電所において,地熱水から蒸気分離された後の還元水には,排水基準以上のAsやシリカスケールの問題を引き起こす多量のシリカが含まれている.本研究では,地熱資源有効利用システムの構築を目指し,無機陰イオン交換体であるハイドロタルサイトを用いて,地熱発電所で湧出する地熱水からのAsとシリカの同時除去に関する基礎的検討を行った.ハイドロタルサイトにより処理することで,Asとシリカを同時に減少させ,As濃度を排水基準の0.1mg/l以下に,シリカ濃度をシリカスケールの発生を防止できる100mg/l以下にすることができ,その除去率は25~80℃の温度範囲ではほとんど変わらなかった.焼成処理を行った焼成ハイドロタルサイトを用いることで,より効率的な除去が可能であることがわかった.また,除去処理後の残渣を60℃で乾燥することで,As・シリカはほとんど再溶出しなかった.
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