応用地質
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42 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 伊藤 俊秀, 大村 誠, 西山 孝, 前川 靖也, 斎藤 光義
    2002 年 42 巻 6 号 p. 335-341
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ハードウェアの急速な性能向上に伴い, PC上でも高度な機能を備えた地質データベースの運用が可能になっている. 一方で, 鉱山開発においては, 従来の要請に加えて環境問題への対応から, きめ細かな採掘管理とより厳格な基準での品質管理が求められている. このような状況から, 採掘管理における地質データベースの活用は, 大幅なコスト削減と品質向上を実現させるものとして, 避けて通ることのできない課題となっている. そこで, 海外の金属鉱山で使用実績の高い地質データベースソフトの一つであるMineSightを適用し, 石灰石を産出する露天鉱山の愛宕鉱山について, 地質データベースの可能性を考察した.
    その結果, 現状で備えている機能でも十分に活用できることが確かめられた. すなわち, 濃度図を合成することにより, 採掘計画において効率的な濃度調整を行い, 鉱山の耐用年数を高めることができる. しかしながら, 精度を高めるためには, データベースの運用に習熟する必要があり, 早期の導入が効果的である. また, 採掘シミュレーションに関しては, 厳格な品質管理を可能とし, 景観や騒音といった環境問題を考慮した中期・短期の採掘計画への対応が必要になる.
  • 鈴木 浩一
    2002 年 42 巻 6 号 p. 342-350
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    物理探査法は情報処理技術の向上とともに測定・解析技術の高精度化が図られているが, 調査地点の水理地質構造や力学強度特性の評価に対しては, 餌析断面の解釈に客観性がなく, 概略的な地質構造を把握するための補助的な手段との評価にとどまっている. 本論では, 複数の物理検層データを組み合わせて透水係数を求める手法を適用し, 室内試験やほかの手法によるデータと比較してその有効性を検討した. DE LIMA (1995) による泥質砂岩を対象とした電気比抵抗モデルを基に複数の物理検層データ (電気・自然γ線・中性子検層) から透水係数を推定する手法を提案した. この手法を新第三紀堆積性軟岩地点の検層データに適用した結果, 得られた透水係数はコア試料のそれと調和的な値が得られた. 次に, KATSUBE and HUME (1987) に基づき電気・中性子検層から透水係数を求める手法を割れ目を含む花崗岩類よりなる硬岩地点での検層データに適用した. その結果, 透水係数プロファイル中の高透水部は, 温度検層により検出された“水みち”の深度と整合した. 今後, さまざまな岩種に対する地盤物性値間の相関性を明らかにし, 比抵抗・弾性波速度の数値断面から透水係数の空間分布を求めることは可能であると考えられる.
  • 三戸 嘉之, 本多 政彦, 小野 尚哉, 藤井 徹, 安原 裕貴, 淺野 広樹, 石井 靖雄
    2002 年 42 巻 6 号 p. 351-354
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    のり面・斜面を対象に取得した高密度三次元座標データを用いて, “調査・設計基図としての地形図・断面図作成”, “複数時期のデータ比較によるマスムーブメントの三次元的な把握”を行い応用地質分野への有効性を検討した. その結果, (1) 短時間で安全に広い範囲の高密度三次元座標データが取得可能, (2) 高密度三次元座標データから作成する地形図は既存の手法による地形図よりも微細な地形を把握でき, 任意の箇所の詳細な断面図も作成できる, (3) スキャン地点から100m以内の距離であれば目標物が概ね10cm以上変位していれば変位を抽出できる可能性がある, (4) 目標物が存在しない場合でもスキャン地点から30m以内の距離の場合最低1cm以上, 100m以内の場合概ね10cm以上, 変位していれば移動範囲を識別できる, という成果が得られた.
    また, (5) 近赤外線で物質の受光強度を計測することにより, 地層境界や断層の分布が位置情報として取得でき, 工事現場での地質観察やスケッチを省力化させることができることが明らかになった.
    面的な高密度座標計測は実用化されたばかりの技術であり, 今後の応用地質分野への有効活用方法を期待する.
  • 津田 延裕, 新庄 高久, 池田 正道
    2002 年 42 巻 6 号 p. 365-372
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    水力発電設備の保守において, 発電設備周辺斜面の管理は重要な問題の一つである. 発電設備周辺斜面の崩壊地や地すべり地に対しては, 常に斜面の状態を正確に把握しておくことが重要であり, また, 突発的に発生する新たな崩壊に対しては迅速な対応が求められる. このような斜面の管理は, 日常の保守業務に携わる技術者による点検や計器による観測などにより行われているが, これを効率的・効果的に行うため, Web-ブラウザーを使用した斜面管理データベースシステムを開発した. このシステムは, Web-ブラウザーとPDFやCADファイルを見るソフトがパソコンに入っていれば使用することができるものである. 各斜面のデータは, 斜面カルテ, 写真, 既往調査・対策工の結果, 空中写真判読結果, 斜面周辺の公刊地質図などから構成されており, パソコンの地図画面からでも斜面一覧表からでもこれらのデータにアクセスすることができるようになっている. また, 斜面の最新の情報を常に把握できるよう, 点検後のデータ更新も保守現場において容易に行うことができるものとしている. 本システムは, インターネット技術を利用し, 低コストでのシステム開発およびメンテナンスを可能にしたものである.
  • 棚瀬 大爾, 門馬 英一郎, 石井 弘允, 小野 隆
    2002 年 42 巻 6 号 p. 373-379
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    デジタルカメラを利用した簡便な岩盤の風化度の判定・表示システムを開発したので報告する.
    筆者らによるボーリングコアおよび調査横坑画像のデジタル画像の色情報の解析および岩石の物理試験により, Green-Red平面上での色ベクトル分布より求めた回帰直線の切片βの値は, 岩石・岩盤の風化度および比重, 吸水率等の物性値と明瞭な相関を示し, 風化度の定量的指標として適していることが判明した.
    本システムは, 普及品デジタルカメラで撮影した切羽等の岩盤掘削面の画像を細かいマスクに区分し, 各マスクのβ値を求め, それを掘削面全体の等高線図とするものである. 表示色を風化岩盤の色情報に基づいた設定としたことで, 地質スケッチに近いわかりやすい等高線図が得られた.
  • 石井 邦宙, 中村 三友, 稲葉 千秋, 永田 直己
    2002 年 42 巻 6 号 p. 380-385
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    従来, 地形を広範囲に計測する手段としては, 航空写真測量により地形図を作成する方法が一般的であった. 近年, 航空機等から地上に向けてレーザパルスを照射し, 反射してくるレーザとの時間差で距離を計る技術により, 三次元的な地形情報をデジタルで取得する方法が用いられるようになった. この方法を用いて, 平成12年3月に噴火した有珠山において噴火後の地形情報を取得し, 噴火前と比較することで噴火による地盤変動量を求めた. この作業を通じて, レーザ計測と航空写真測量による地盤標高データの取得方法の違いを比較した.
    レーザ計測結果は, 直接デジタルデータとして得られるため, 航空写真測量等により同様のデータを得るのと比較して, 地形データを短工程・短期間で作成できる可能性が確認できた. また, GISを利用した地形解析に容易に利用可能であるという利点を持つ. 一方, 課題としては, 地盤標高データを取得する場合には, 植生の繁茂状況に大きく影響を受け, また計測されたデータが実際に何の対象物を測定した値なのかを確かめられないことがあげられた. 課題解決のためには, 今後も引き続きデータの検証等を行っていく必要がある.
  • 岡本 隆, 松浦 純生, 浅野 志穂, 松山 康治
    2002 年 42 巻 6 号 p. 386-393
    発行日: 2002/02/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    静岡県の由比地すべり防止区域は, その直下に高速道路や鉄道といった重要な保全対象を多く抱えている. そのため, 地すべり対策工事の概成後も長期的視野に立った地すべり地の維持・管理が必要とされている. そこで近年著しい発達を遂げているネットワーク技術や地理情報システムを活用した地すべりの総合管理手法を開発した.
    本手法は地すべり地の挙動を監視する自動観測システムを軸としている. システムを構成する複数の装置は目的に応じて現地や関係機関に設置され, それらがネットワークで相互に結ばれている. そのため遠隔地の機関においても常に最新の地すべり挙動を把握することができる. 一方, 地すべりにおける膨大な地質調査や対策工事に関する情報を一元管理するため, 本自動観測システム内に地理情報システム (GIS) が導入されており, GISの抽出, 重ね合わせ機能を用いて最適避難ルートを探索するなど, 既往の情報を有効活用することができる.
    なお, 本自動観測システムは平成13年度より由比地すべり防止区域において正式稼働を開始している.
  • 2002 年 42 巻 6 号 p. 410
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    「応用地質」Vol.42, No.5に誤りがございましたので, お詫びして訂正させていただきます. (誤)S種のハンマー (正)3種のハンマー
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