小児気管支喘息患児を対象として, 中谷の全良導絡計測法を用いて, 良導絡興抑頻度パターンを求め, 患児の良導絡的な特性をさぐり, さらに, 投与した湯液別に観察するため, 推計学的な検討を加えた。その結果, いわゆる健康小児との比較において, 多くの良導絡に有意差 (P<0.001) が認められ, なかでもF3 (腎経と相似) の抑制側への頻度が患児では最も多かった。
また, 本証の治療として投与された柴胡剤の, 柴朴湯と補中益気湯の各々の投与群間の比較や, 各々有効群同士の比較では, 2~3の良導絡に若干の差異 (P<0.05) が認められ, 湯液治療における「証」の判断の際にも, 客観的な手段として, 応用できると考えられ, 今後, より多くの湯液も含めて検討を加えていきたい。
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