日本東洋医学雑誌
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49 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 1998 年 49 巻 3 号 p. 329-342
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 49 巻 3 号 p. 343-417
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 唐 方, 中西 由香, 織田 真智子, 阿部 博子
    1998 年 49 巻 3 号 p. 419-428
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    疎経活血湯, 〓苡仁湯, 桂枝加朮附湯, 越婢加朮湯, 柴苓湯の五方剤を, AAラットの滑膜炎発症期に投与し, 炎症所見を経時的に観察することによって, 五種の漢方処方の有効性や作用効果の相異について比較検討した。その結果, 疎経活血湯, 〓苡仁湯ではAAラットの局所所見, 両側関節腫脹の軽減及び滑膜組織病変の改善が認められたが, 越婢加朮湯ではA液非注射側においてのみ腫脹の軽減効果が認められた。それに対して, 桂枝加朮附湯, 柴苓湯ではAAラットの関節腫脹の軽減は認められなかった。また, 桂枝加朮附湯では, 関節腫脹所見はAA対照群より増悪傾向が認められた。
  • 清水 昌寿, 小松 靖弘, 王 秀霞, 劉 北星, 武田 素廣, 松井 健一郎, 甲野 裕之, 山口 宣夫
    1998 年 49 巻 3 号 p. 429-439
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    免疫抑制剤であるデキサメサゾン (Dex) を投与して作製した免疫不全モデルのマウスに補中益気湯 (HET) を経口投与して, 腸管出血性大腸菌 (EHEC) の腹腔内感染に対する感染防御効果を検討した。
    HETの経口投与はDex処理により誘導された末梢血白血球数の減少を回復した。またDex処理により低下した羊赤血球への能動免疫能に対するHETの回復作用を溶血斑形成細胞(PFC) 数により検討した結果, HETの経口投与によりIgM型PFCがDex非処理の正常群のレベルまで回復された。そこで, Dex処理マウスのEHEC感染モデルにおいてHETの感染防御効果を検討した。HETを500mg/kg/headで経口投与した結果, 生存日数の延長がみられ, 50%生存日数はHET投与群において4日であったがHET非投与群のそれは1日であった。また, HET投与群では対照群と比較して感染後の肝臓内菌数が低く抑えられた。
    以上の結果より, Dex投与マウスのEHEC感染モデルにおいて, HETの経口投与が感染防御能を増強した。この増強効果はHETがDex投与により誘導された免疫不全状態を改善させる作用に基づいて発揮されることが示唆された。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯有効例と加味逍遥散有効例との比較
    喜多 敏明, 伊藤 隆, 嶋田 豊, 柴原 直利, 寺澤 捷年
    1998 年 49 巻 3 号 p. 441-448
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    不定愁訴患者に随証的漢方治療を行う前に, Comell Medical Index (CMI) の精神的愁訴51問 (6カテゴリー) と阿部の自律神経失調症の問診票の身体的愁訴43問 (7カテゴリー) を施行した。CMIの領域がIIIあるいはIVで, 柴胡加竜骨牡蛎湯または加味逍遥散が有効であった18例を本研究の対象とした。内訳は, 柴胡加竜骨牡蛎湯有効例が9例 (柴竜湯群), 加味逍遥散有効例が9例 (加味逍群) であった。両群の臨床像を比較するために, 精神的ならびに身体的愁訴の各カテゴリーに対する平均訴え率を群別に検討した。
    精神的には, 抑うつと緊張に関する平均訴え率が柴竜湯群で高く, 過敏と怒りに関する平均訴え率は加味逍群で高かった。判別分析の結果, 緊張・過敏・抑うつの3カテゴリーが両群の判別に寄与することが明らかとなった。身体的には, 7つのカテゴリー全ての平均訴え率において群間に大きな差がなかった。
  • 大竹 哲也, 堀口 勇, 家島 仁史, 堤 哲也, 木村 裕明, 岡田 多雅
    1998 年 49 巻 3 号 p. 449-455
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症に対しては疼痛管理とともに, 骨量の減少を抑えることが重要となる。疼痛に関して漢方薬投与群 (48例) と非ステロイド系消炎鎮痛剤投与群 (18例) の比較を行った。両群間の比較では4週までは差はないものの, 8週・12週では, 漢方薬投与群の方が有意に疼痛の改善を示した。
    次いで, 長期にわたって漢方薬を投与された症例の中で, 症例数の多かった桂枝加朮附湯と牛車腎気丸の2剤に関して骨量を検討した。桂枝加朮附湯投与群は20例, 牛車腎気丸投与群は12例となった。骨量は DIP (Digital Image Processing) 法で初診時, 3, 6, 9ヶ月後に測定した。また比較・対照として, 約10ヶ月の間治療を受けなかった症例を無治療群 (11例) とした。
    対照群では約10ヶ月の間で骨量は有意な減少を認めた。桂枝加朮附湯投与群のMCIは全期間を通じて初診時との有意な差は認められなかった。m-BMDの初診時との比較では3, 9ヶ月後において有意な増加を認めた。牛車腎気丸投与群のMCIおよびm-BMD値はどちらも全期間を通じて初診時との比較で有意差は認められなかった。桂枝加朮附湯は骨粗鬆症患者の骨量の減少を抑制し, むしろ改善効果が示された。牛車腎気丸も初診時の骨量を維持した。
  • 小野 孝彦, 武曾 恵理
    1998 年 49 巻 3 号 p. 457-459
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本稿において, アリストロキア酸によって惹起される, いわゆる Chinese herbs nephropathy (漢方薬腎症) の名称変更についてのいきさつを報告した。この疾患における腎尿細管・間質の障害は, アリストロキア酸を含んだ漢方薬を長期に使用することにより, 惹起されることが近年, 知られるようになった。筆者らは, この Chinese herbs nephropathy の名称は, あいまいであって, アリストロキア酸腎症に変更すべきであると考えたが, 我々の意見に対し, この腎症の最初の報告者である Vanherweghem 教授は, Aristolochia nephropathy (アリストロキア腎症) の名称を示された。今後はアリストロキア酸腎症かアリストロキア腎症の名称が使用されるものと思われる。
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