1995年2月から1998年2月までに岐阜大学医学部口腔外科を受診した舌痛症の患者16例に対して, 漢方医学的診断 (証) に基づいた治療を行った。
舌痛症の患者は, 男性3名女性13名で44歳から75歳であった。使用した漢方薬は延べで加味逍遥散8例, 人参養栄湯6例, 立効散5例, 人参湯, 帰脾湯各4例, 黄連解毒湯3例, 半夏白朮天麻湯, 五苓散, 甘麦大棗湯, 十全大補湯, 酸棗仁湯各2例, 小建中湯, 香蘇散, 竜胆瀉肝湯, 柴苓湯, 猪苓湯, 三黄瀉心湯, 牛車腎気丸, 清心蓮子飲各1例で投与期間は16日から396日であった。
舌痛症の原因はいまだにはっきりしていないのが現状であるが, 治療法として証に基づいた漢方薬治療は効果的であった。
抄録全体を表示