習慣 (反復) 流早産は原因不明のことが多く, その回数を重ねるたびごとにますます妊娠維持が困難になってくる。そして, 現代医学的な原因対策療法や切迫流早産の治療を行ってもなかなか難しいのが現状である。
昭和51年より60年まで, 米沢市立病院産婦人科で診療した習慣流早産8妊0産1例, 5妊5産0生児1例, 3妊0産2例, 2妊0産8例, 初産後2回流産3妊1産2例計14例に, 入院安静の下に, 妊娠中性器出血時にはツムラ〓帰膠艾湯を, 出血のない時には当帰芍薬散を1日量5.0g分2を比較的長期間投与した。例は妊娠34, 35週で早産したが, 12例は正期産し, 全例生児娩出し, 外表奇形その他の児への影響は認めなかった。
現代医学的な管理の下に, 漢方療法を併行することによって, 妊孕性がより高められるのではないかと思う。
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