今日, 漢方方剤はわが国において広く臨床応用されている。この医学は中国に誕生し, 5世紀に朝鮮半島を経由して, わが国にもたらされ, 以後, 独特の発展をした。しかし, 現代科学的な評価が十分になされているとはいえず, この素晴らしい宝は現代治療の場では軽視されている。
過去25年間, この状況を打ち破るべく, われわれは漢方方剤の化学的, 薬理学的研究を行ってきた。その成果について一部紹介させていただく。
1) 漢方方剤と西洋医薬品の違い
2) 消化管内における成分の構造変換
3) 成分面から見た漢方方剤の薬物としての解釈
4) 漢方方剤の生物学的評価
a. P450mRNAの発現に対する小柴胡湯の影響
b. アトピー性皮膚炎モデルに対する漢方方剤の効果
c. リュウマチ関節炎モデルに対する漢方方剤の効果
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