日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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50 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 尾嵜 新平
    1999 年 50 巻 3 号 p. 333-341
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 50 巻 3 号 p. 343-364
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 50 巻 3 号 p. 365-412
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 布目 慎勇, 佐々木 博
    1999 年 50 巻 3 号 p. 413-437
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    大建中湯は腹部の冷えによる腹痛と, これに伴う吐き気や消化管の異常な蠕動運動をおこすものに対して用いられる処方であるが, 近年開腹手術後の癒着性イレウスの予防および治療を目的に頻用されるようになってきた。そこで大建中湯および構成生薬 (山椒, 乾姜, 人参, 膠飴) の来歴を調査し, 応用や注意事項などを明らかにした。
    大建中湯は中国ではあまり使用されてこなかったが, 日本では江戸時代中期頃から主として寒疝に頻用されるようになった。その理由として, 日本人は当時肉食をせず, 水を多く飲み, また腹部の冷えやすい服装であったこと, 寄生虫感染症が多いこと, 腹証が発達したことなどがあげられる。注意事項として, 大建中湯の適応症状がある場合, 直ちに下剤を投与しないこと, 高熱のある者に対しては適用しないことが述べられている。
    大建中湯を構成する4生薬は, 漢方が一般に普及する江戸中期頃から現在使用しているものと同様の基原や修治法になったものと思われる。また大建中湯に対する各構戒生薬の薬効の寄与は, 山椒と乾姜が主薬であり, さらに人参, 膠飴が病状と山椒および乾姜の作用を調節していることが推測された。
  • 加藤 麦, 福田 文彦, 石崎 直人, 矢野 忠, 山村 義治
    1999 年 50 巻 3 号 p. 439-449
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    OLETFラットに対してグルコースクランプ中に刺激を与え, 鍼通電刺激がインスリン感受性に及ぼす効果を検討した。OLETFラットを, 耳介迷走神経鍼刺激群 (AVA), 耳介非迷走神経鍼刺激群 (ANVA), 背部鍼刺激群 (AB), 背部ピンチ刺激群 (PB), 無刺激群 (NS) に分け, 正常対照としてLETOラットも同様に5群に分けた。更に, インスリン抵抗性に対する予防効果を検討するため, OLETFラットに長期間の鍼通電刺激を行った。鍼通電刺激はパルス幅300ms, 1.5V, 1Hzで10分間又は15分間行った。結果はOLETFラットでは, PB群で基礎値に対して刺激後に有意に減少した。LETOラットではPB群の刺激後に基礎値,刺激中の値に対して有意な増加がみられた。長期間刺激したAVA群及びAB群のGIRは, NS群に比べ有意に増加していた。以上の結果より, 耳介部及び背部の鍼通電刺激はインスリン抵抗性の予防に有効であることが示唆された。
  • 笹岡 彰一, 上林 淑人
    1999 年 50 巻 3 号 p. 451-454
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    放射線治療における皮膚障害発現の予防に対して桂枝加竜骨牡蛎湯の効果を検討した。対象は肺癌の診断で60Coによる放射線療法を行った10例のうち, 完遂できた9例 (平均50.3Gy) である。放射線療法の間, 3例に桂枝加竜骨牡蛎湯を内服させた。高度な放射線皮膚障害 (皮膚剥離) は非内服群でのみ認めた (6例中4例)。内服群3例は, 全て皮膚剥離を示さず, 放射線治療を終了した。放射線治療中における皮膚障害の進行抑制において桂枝加竜骨牡蛎湯の効果が示唆された。
  • 萬谷 直樹, 小尾 龍右, 後藤 博三, 伊藤 隆, 寺澤 捷年
    1999 年 50 巻 3 号 p. 455-460
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    反回神経麻痺により繰り返される下気道感染の2例に, 清肺湯が一定の効果を示した。症例1は50歳男性。1970年に頸部腫瘍で手術と放射線治療を受けた。以後嗄声と摂食時のむせが出現し, 1992年からは年に4, 5回下気道感染をおこすようになった。1995年5月肺炎で入院し, 以後の2ヵ月間に3回肺炎を繰り返した。清肺湯エキスを開始してからは1年3ヵ月間寛解が得られた。観察期間3年7ヵ月間での再燃は3回で, うち2回は気管支炎であった。症例2は76歳男性。1984年左上葉肺癌で肺切除術と放射線療法をうけた。以後嗄声, 摂食時のむせ, 疾と咳が出現し, 年に5~6回増悪して治療を受けるようになった。1997年5月と翌年3月肺炎で入院。和漢薬治療を求め4月初診。清肺湯エキスにより自覚症状が改善し, 8ヵ月半の寛解が得られた。原典の万病回春には「声唖」の指示があり, 方剤を選択する際に嗄声が大きな目標となった。
  • 安東 規雄
    1999 年 50 巻 3 号 p. 461-470
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    鉄剤による治療が副作用等の理由により断念せざるを得なかった鉄欠乏性貧血の患者12例に対し, 人参養栄湯単独投与による治療を行い, 経過を観察した。鉄剤あるいは鉄剤+人参養栄湯併用による治療に比べて, 人参養栄湯単独投与では効果発現は緩慢で, 速効性は期待出来ないが, 期間を経るにつれて増血の傾向が現われ, 12週後には正常値に達する例もあった。また, 頭重感や四肢冷感など貧血に伴う不定愁訴は早期に改善を見ることが出来た。これら人参養栄湯の効果は多くの報告例でも立証されており, その作用には食欲亢進による増血養分の吸収促進効果や骨髄造血系幹細胞賦活作用などの薬理作用が関与しているものと推察された。今後, 漢方治療は注目されるものと考えられる。
  • 堀口 裕治
    1999 年 50 巻 3 号 p. 471-478
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    湿疹・皮膚炎を主訴とする患者のうち実熱の証を示す患者を選び, 通常の皮膚科的な治療法に加えて黄連解毒湯エキス顆粒を併用し, その有用性を検討した。4~8週の黄連解毒湯の併用治療前後における紅斑色調, 発汗の程度, 皮膚炎の程度, ほてりや〓痒の程度, 掻破による湿潤の程度などを比較し, 黄連解毒湯の効果を判定した。血液検査の結果や服用しやすいかどうかなどを総合し, 有用性を判定した。結果を判定し得た31例の内訳はアトピー性皮膚炎15例, 慢性湿疹11例, 自家感作性湿疹1例, 脂漏性皮膚炎2例, 腹部湿疹1例, 結節性痒疹1例であった。結果はきわめて有用4例 (13%), 有用16例 (52%), やや有用6例 (19%), 有用でない5例 (16%) であった。胃のもたれ感が強く服用困難な症例が1例, 肝臓逸脱酵素の上昇を示した症例が1例見られた。黄連解毒湯エキス剤は実熱証を示す湿疹・皮膚炎の症例に対し併用すべき薬剤と考えた。
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