東洋医学では,顔面の皮膚色などから健康状態を評価する「顔面診」が用いられているが,その有用性についての基礎的な調査は少ない。そこで本研究では,顔面部および前腕部(尺膚)の皮膚色と,質問紙などで評価した健康状態との関連について調査を行い,顔面診の有用性を検討した。
対象は22~55歳の健常成人30名(男13名,女17名)とし,顔面部,前腕部の皮膚色の測定と,健康状態に関する調査を行った。
調査の結果,皮膚色と相関関係を認めた健康状態に関する調査項目は,総人数の解析では過去4週間の仕事パフォーマンス,陰虚スコア,男性のみの解析ではBMI,主観的健康感,過去4週間の仕事パフォーマンス,水滞スコア,女性のみの解析では年齢,過去1~2年間および過去4週間の仕事パフォーマンス,陰虚スコアであった。
本結果より,皮膚色と健康状態の関連が上記の項目において示されたことから,顔面診の一部が有用である可能性が示唆された。
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