日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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50 巻, 5 号
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  • 大塚 恭男
    2000 年 50 巻 5 号 p. 741-766
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 50 巻 5 号 p. 767-793
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 50 巻 5 号 p. 795-839
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 引網 宏彰, 柴原 直利, 後藤 博三, 小暮 敏明, 長坂 和彦, 喜多 敏明, 嶋田 豊, 伊藤 隆, 寺澤 捷年
    2000 年 50 巻 5 号 p. 841-850
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    NIDDM患者141例 (男95例, 女46例, 平均年齢61.3±10.1歳) について糖尿病性細小血管症の発症・進展に対する和漢薬治療の効果について検討した。そのため, 糖尿病細小血管症の重症度を糖尿病罹病年数, 和漢薬治療歴ごとに検討した。その結果, 腎症は和漢薬治療歴が長いほど重症度は有意に低かった。神経症および網膜症は罹病年数の短い群では統計学的有意差はなかったが和漢薬治療歴が長いほど重症度が低い傾向があった。
    糖尿病性細小血管症に対して和漢薬の併用が有効である可能性が示唆された。
  • 塩谷 雄二, 嶋田 豊, 後藤 博三, 伊藤 隆, 寺澤 捷年
    2000 年 50 巻 5 号 p. 851-860
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    現在, 桂枝茯苓丸は代表的な駆〓血剤の一つとして広く用いられているが, 更年期障害などの「冷えのぼせ」(上熱下寒) を呈する〓血病態の成人女性に最も繁用されている。今回, 冷えのぼせを自覚する群 (成人女性8名) と下肢の冷感のみを自覚する群 (成人女性8名) に分け, 腹部のサーモグラフィをおこなったところ, 冷えのぼせ群は下肢冷感群に比較して, 上腹部と下腹部の皮膚表面の温度差が大きく有意差を認めた。両群に自家製・桂枝茯苓丸の投薬後60分の経過を観察したところ, 下肢冷感群では上腹部, 下腹部ともに皮膚温が低下した。一方, 冷えのぼせ群では上腹部の皮膚温は低下したが, 下腹部では逆に上昇し, 上腹部と下腹部の温度差は縮小した。桂枝茯苓丸は内分泌系と自律神経系のバランス失調状態である「冷えのぼせ」に対して, 是正する方向に働いたことになる。桂枝茯苓丸は上半身の皮膚の末梢血管拡張による皮膚温上昇である「のぼせ」に対して, 末梢血管を収縮させて皮膚温を低下させるだけでなく, 下腹部の血流を増加させ, 〓血病態の一つである骨盤内うっ血を改善させる可能性が示唆された。
  • 萬谷 直樹, 小暮 敏明, 嶋田 豊, 伊藤 隆, 寺澤 捷年
    2000 年 50 巻 5 号 p. 861-867
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    四君子湯の加味方が有効であった慢性関節リウマチ (以下RA) の2例を経験した。症例1は71歳女性。2年間西洋薬による治療を受けたが改善しなかった。桂枝二越婢一湯加苓朮附によってRAは一時軽快傾向にあったが, 皮疹や食欲不振の出現とともにRAも増悪した。食欲不振がつよいため, 衆方規矩の加味方を基本にした四君子湯加桂枝芍薬〓苡仁を開始したところ, 食欲とともにRAも改善し, 9ヵ月間の内服で寛解が得られた。症例2は52歳女性。1989年にRAを発症し, 種々のDMARDs (disease modifying anti-rheumatic drugs) で副作用をおこし, 少量のステロイドと十数種の漢方方剤の併用でも軽快しなかった。食欲不振を伴う薬物性肝障害の出現を契機に四君子湯加桂枝芍薬〓苡仁附子を開始したところ, RAに対しても一定の効果が得られた。副作用や消化器症状が出現したRA患者において, 消化器症状とともにRAの病態をも改善する可能性のある方剤として, 本方剤は重要な役割をもつと考えられた。
  • 川口 惠子
    2000 年 50 巻 5 号 p. 869-876
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    10代から40代までの月経困難症患者 (器質性月経困難症20例, 機能性月経困難症例36例) に対して, 東洋医学的診断に水基づいて決定された漢方エキスを投与し, 効果判定を2ヵ月後に行った。
    器質性月経困難症例では著効6例, 有効6例, 無効5例, 脱落3例であった。機能性月経困難症例では著効15例, 有効7例, 無効1例, 脱落13例であった。
    10代, 20代の若年者では器質性よりも機能性月経困難症が多く, 漢方薬を服用し続けた20例中17例に効果がみられた。30代, 40代になるにつれて器質性月経困難症の占める割合が増加したが, 服用し続けた22例中19例に効果がみられた。漢方療法は服用を続ければ器質性機能性いずれの月経困難症に対しても有効な治療法と言えよう。
  • 〓田 治
    2000 年 50 巻 5 号 p. 877-881
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    老人性皮膚〓痒症患者の皮膚状態は血虚と考えられ, これまで漢方治療に当たっては主に補血剤が用いられてきた。十全大補湯はアトピー性皮膚炎患者の〓痒に効果を認めた報告はあるが, 老人性皮膚〓痒症に使用された報告は明らかでない。今回, 疲れやすい, かぜをひきやすい, 寒さに弱い, 疲れ目, 不眠, めまい感などの症状を呈する老人性皮膚〓痒症に対し十全大補湯エキス剤 (ツムラ) が奏功した4例を経験した。平均年齢は79歳で, 男性2例女性2例であった。全例において皮膚乾燥がみられ, 気血両虚が存在していた。投与量は用いたエキス剤の常用量の1/3~1/2であり, 効果発現は2~6週で認められた。十全大補湯は老人性皮膚〓痒症患者に有用な方剤の一つであると思われ, 投与の目標として気血両虚の存在が示唆された。
  • 西洋薬止血剤との比較
    岩淵 慎助
    2000 年 50 巻 5 号 p. 883-890
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    成熟期婦人 (平均年齢41.3±7.2歳) の機能性子宮出血に, 初診日より子宮内膜組織検査診断までの7日間投与した〓帰膠艾湯エキス群93例と西洋薬止血剤トランサミン+オフタルムK群90例の止血までに要する日数を比較検討した。総体的な止血日数は〓帰膠艾湯では平均4.29±1.54日, トランサミン他では5.54±2.13日で, 〓帰膠艾湯はトランサミン他より有意 (P<0.01 t・χ2検定) に早く止血する。有効率はそれぞれ94.6%と72.2%であった。虚実証の観点から見ると, 虚証, 虚実間証では有意であるが, 実証では有意でなかった。子宮内膜組織像の観点から見ると, 増殖期, 単純型増殖症では有意であるが, 静止期萎縮期と増殖期分泌期混在, 分泌期では有意でなかった。止血の作用機序は不明であるが, 機能性子宮出血の止血には, 〓帰膠艾湯は, 虚実の証や月経周期にこだわることなく使用できる有用な薬方であると思う。なお副作用例や〓帰膠艾湯無効例のその後の対処についても言及した。
  • 森 壽美
    2000 年 50 巻 5 号 p. 891-895
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
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    網膜中心静脈閉塞症は, 従来, 視力予後の悪い疾患で, 現在も有効な治療法がないとされている。今回, この疾患をもつ67歳の男性に漢方薬を使用し, 有効な結果が得られた。最終的に, 温清飲と五苓散 (どちらも煎じ薬) が使用され, 前者は1年10ヵ月間, 後者は9ヵ月間継続しており, 副作用はとくに認めなかった。投与1年後に視力は, LV: 0.02 (n. c.) からLV: 0.2(0.3×S+0.75D〓C-1.0DA×110°) に回復し, 新生血管も出現せず, 経過は良好である。これらの結果より, 漢方療法は網膜中心静脈閉塞症に有効である事が示唆された。
  • 引網 宏彰, 長坂 和彦, 巽 武司, 土佐 寛順, 寺澤 捷年
    2000 年 50 巻 5 号 p. 897-908
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
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    老人医療の現場では, 病状の悪化に対して患者の全身状態を考慮し保存的治療のみで対応せざるをえない場合が少なからずある。今回, 長期臥床患者に併発した急性胆嚢炎・胆管炎に漢方治療が奏効した症例を経験した。1) 86歳男性。総胆管結石および急性胆管炎に対して茵〓蒿湯を投与し治癒した。漢方薬中断後, 2度に渡り再発したがいずれも茵〓蒿湯の投与により軽快し, その後の全身状態の改善に茵〓四逆湯が有用であった。2) 89歳男性。急性胆嚢炎に対して大柴胡湯エキスと茯苓四逆湯の併用が有効であった。3) 88歳女性。胆嚢結石および急性胆嚢炎に対して, 大柴胡湯と茯苓四逆湯が有効であった。高齢者の場合, 元来陰虚証であることが多いが病状の急性期には「先急後緩」の原則に従って治療することが重要と考えられた。
  • 2000 年 50 巻 5 号 p. 909-915
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2010/03/12
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  • 2000 年 50 巻 5 号 p. 920
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/03/12
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