〓瘡の治療としてテトラサイクリン内服が用いられるが, これと, 漢方剤内服, 外用剤による治療との比較を検討した。291例の患者を6群に分け, 第1群, 十味敗毒湯, 黄連解毒湯内服, ステロイドローション, 硫黄カンフルローション, クリンダマイシンローションの外用, 第2群は上記漢方内服のみ, 第3群, 十味敗毒湯のみ, 第4群, 黄連解毒湯内服のみ, 第5群, 外用剤のみ, 第6群, ミノサイクリン内服, 外用剤併用 (但しステロイドローションは除く) を行い, 第1群は著効47%, 有効31%, やや有効16%, 無効増悪5%であった。第2群との有意義な差はないが, 著効例で, 治るまでの期間が第1群の方でより短かった。第6群と比較すると第1群の方が統計的に有意義により効果が優れていた。第2群は著効52%, 有効24%, やや有効12%, 無効・増悪12%で第3群は同様に51%, 24%, 15%, 11%, 第4群は20%, 20%, 30%, 30%, 第5群は8%, 8%, 58%, 25%, 第6群は33%, 17%, 17%, 33%であった。抗生物質による長期治療の副作用を考えると漢方内服, 外用剤併用治療は副作用もなく, 治療効果に優れ, 推薦される。
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