日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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48 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 寺澤 捷年
    1998 年 48 巻 4 号 p. 409-436
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 嶋田 豊, 藤永 洋, 引網 宏彰, 後藤 博三, 伊藤 隆, 古田 一史, 三潴 忠道, 寺澤 捷年
    1998 年 48 巻 4 号 p. 437-443
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    四肢や腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えを有する37例を対象に, 八味地黄丸の有効性及び適応病態について検討した。その結果, 4週間投与における全般改善度の改善率は55.9%であり, 痛み・脱力感・しびれ・冷えの改善率は各々44.8%, 39.3%, 59.1%, 31.8%であった。60歳以上は60歳未満に比べて, しびれの改善が有意に優っていた。また, 投与後に「髪の毛が薄い, 抜けやすい」,「目がかすむ, 疲れる」,「大便が固い」,「手が痛い」,「足がしびれる」,「手が冷える」,「足が冷える」の各症状で有意の改善がみられた。さらに, 有効群と無効群に分けて検討したところ,「聞こえが悪い」の症状において, 有効群が無効群に比べて有意に程度が強いという結果が得られた。以上の成績は, 高齢者の手足腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えに対する腎虚を目標とした八味地黄丸による治療の有効性を示すものと考えられた。
  • 伊東 俊夫, 中山 志郎
    1998 年 48 巻 4 号 p. 445-449
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 女性。平成7年10月より胸部, 下肢に点状出血斑が出現したため受診。ITPと診断し, ツムラ加味帰脾湯を投与したが, 血小板数の増加を認めないために入院。入院時血小板数は4.3万/μl。プレドニゾロン50mg/日の投与を開始したところ, 血小板数は20.0万/μlまで増加した。しかし, プレドニゾロンの漸減後は4.4万/μlまで低下した。そのために加味帰脾湯を併用で再投与したところ, 血小板数は最高27.1万/μlまで増加した。現在, プレドニゾロン8mg/日と加味帰脾湯の併用で外来通院中であるが, 血小板数は約10万/μlで, 経過良好である。本症例は加味帰脾湯単独投与では効果がみられなかったが, 副腎皮質ホルモン剤の減量後の再発時に再投与して血小板数の著しい増加を認めた点が興味深い症例である。今後, 副腎皮質ホルモン剤の減量の時に加味帰脾湯を併用することは再発を予防するために有意義であろうと結論した。
  • 電気生理学的検討
    鈴木 俊明, 谷 万喜子, 鍋田 理恵, 若山 育郎, 八瀬 善郎
    1998 年 48 巻 4 号 p. 451-457
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    歩行障害を認めた脊髄小脳変性症患者 (65歳, 女性) に対して, 黄耆建中湯による本漢方治療および運動療法を行った。初回評価時は歩行は不安定であり, 特に左側下肢に軽度筋緊張亢進および深部感覚障害を認めた。東洋医学的所見としては, 四肢の冷感および体力低下から生じる疲労感が著明であった。電気生理学的所見としてはABR, SEPおよびF波に異常所見を認めた。治療開始2ヶ月後には歩行が安定し, それにともない他の神経学的および東洋医学的所見も改善した。また, 症状の改善にともない電気生理学的所見も改善した。黄耆建中湯を用いた漢方治療およびボバース概念を用いた運動療法は本症例のような脊髄小脳変性症に対する有効な治療の一つであることが示唆された。
  • 田原 英一, 伊藤 隆, 林 克美, 三瀦 忠道, 寺澤 捷年
    1998 年 48 巻 4 号 p. 459-466
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    大黄甘遂湯により変形性関節症に伴う膝関節痛の軽減とともに, バセドウ病の改善を認めた1症例を経験した。症例は61歳女性。主訴は両膝関節痛と下腿浮腫。1995年5月当科に入院。この時, バセドウ病と診断し, 抗甲状腺剤を6ケ月使用した。退院後, 膝関節痛と下腿浮腫増悪のため, ●●●●●●●当科再入院。下腹部の膨満と抵抗圧痛に着目し, 大黄甘遂湯を投与した。両膝関節痛と下腿浮腫は著明に改善し, ●●●●退院となった。再入院時に再燃していた甲状腺機能亢進状態についても, 抗甲状腺剤を使用することなく, 約5ケ月後に正常化した。同方剤は峻下剤といわれている甘遂が配剤されているが, 本例では長期投与にもかかわらず下痢などの副作用は認めなかった。本方剤の治験例は明治以降では2例のみ報告されているに過ぎない。そこで本証に特有とされる「小腹満して敦状の如き」腹候に関して文献的検討を行い, 使用目標について考察した。
  • 1998 年 48 巻 4 号 p. 467-511
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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