日本東洋医学雑誌
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47 巻, 4 号
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  • 1997 年 47 巻 4 号 p. 513-591
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 忠信, 村井 繁夫, 斎藤 弘子, 大久保 昇, 斎藤 裕志, 道尻 誠助
    1997 年 47 巻 4 号 p. 593-601
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    柴胡加竜骨牡蛎湯 (SRT) および柴胡桂枝乾姜湯 (SKT) は臨床使用において, 虚実の区別はあるものの, お互いに類似した精神・神経症状が目標とされている。本研究においては, 両薬方の中枢神経に対する影響を明らかにするため, 脳内モノアミン類とその代謝に及ぼす影響について, マウスを用いて比較検討した。1) SRTおよびSKTの単回投与は線条体のドパミン作動性神経伝達物質の含量を増大し, 代謝を促進した。2) SRTの反復投与は視床下部および海馬のドパミン作動性神経系の伝達物質の代謝を促進し, アドレナリン作動性神経系の伝達物質の代謝を抑制した。一方, SKTの反復投与は海馬のドパミン代謝を促進し, セロトニン代謝を抑制した。従って, 両薬方のドパミン作動性神経系の充進作用とセロトニン作動性神経系の抑制作用が, 精神・神経症状の調節に関与しているかも知れないことが示唆される。
  • 山田 和男, 神庭 重信, 大西 公夫, 水島 広子, 長尾 博司, 梅山 千香代, 寺師 睦宗, 浅井 昌弘
    1997 年 47 巻 4 号 p. 603-607
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    発病または急性増悪により入院し, 4~12週間のハロペリドールを中心とした抗精神病薬の治療により活動期症状が改善し, 精神症状が安定した後に抗精神病薬の投与量が最低2週間以上固定された精神分裂病圏の患者10名に対し, 黄連解毒湯を4週間追加投与した。黄連解毒湯の追加投与直前, 投与終了時, 投与終了4週後にそれぞれ Brief Psychiatric Rating Scale (BPRS) を用いて症状評価を行なった結果, BPRS 総得点は, 黄連解毒湯の追加投与直前と比較して投与終了時, 投与終了4週後ともに有意に減少した。症状別では,「罪業感」,「抑うつ気分」,「疑惑 (被害妄想)」,「興奮」に有意な改善がみられた。さらに, 血中ハロペリドール濃度には変化がみられなかったことより, 精神症状の改善がハロペリドールの血中濃度の変化によるものではないということが示唆された。また, 副作用はみられなかった。
  • 後藤 博三, 佐藤 伸彦, 関矢 信康, 伊藤 隆, 寺澤 捷年
    1997 年 47 巻 4 号 p. 609-615
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    痿症方が奏効した3症例を報告した。症例1は59歳の女性。1993年5月全身倦怠感出現。多発性筋炎と診断されプレドニゾロンの投与を受けた。しかし, 下肢の脱力が続くため, 1994年8, 月当科紹介受診。痿症方を投与したところ下肢脱力と握力の改善を認めた。症例2は42歳の女性。1994年9月中旬より四肢指先に異常感覚が出現。同年11月には四肢の脱力を併発。1995年2月当科にて慢性炎症性脱髄性多発神経障害の診断でステロイド大量療法を施行した。足腰の脱力感が遷延したが, 痿症方の内服により改善を認めた。症例3は63歳の男性。1984年下肢の脱力出現。1988年より脱力が増悪し同年6月当科受診し, 球脊髄性筋痿縮症と診断された。1993年10月自力でベットから起き上がれなくなり当科入院。疹症方を投与したところ, 下肢の脱力感の軽減と大胸筋の筋攣縮の消失を認めた。疹症方は下肢の脱力のみでなく上肢の脱力, しびれ感, 筋攣縮の改善にも有効であった。
  • 山田 勉, 生沼 利倫, 吉村 信, 持田 俊二, 末川 守
    1997 年 47 巻 4 号 p. 617-624
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    冠動脈攣縮モデルにおける当帰芍薬散と木防已湯の影響とくに冠動脈攣縮発生について検討した。雄性ブタの左冠動脈前下行枝 (LAD) をカテーテルで擦過し内膜傷害を起こし, 胃瘻を設置した。実験群は当帰芍薬散群 (ツムラ製, n=6) と木防已湯群 (n=5) に分けて, 各エキス末を胃瘻より投与し4週間飼育した。その後, acetylcholine (ACh) を経カテーテル的に投与し攣縮発生を試みた。対照群 (n=5) は普通食のみで飼育し, 攣縮は冠動脈造影像上で確認した。ACh投与後, 擦過部を含むLADとその末梢枝の限局性ないしはびまん性過収縮像を認めた。ACh投与回数に対する当帰芍薬散群の攣縮発生は5/13, 木防已湯群5/12, 対照群7/13であり, 3群間に差異はなかった。しかし, 実験群全体の攣縮発生率は対照群よりも低下傾向にあった。その機序は明らかではないが, 被検方剤はブタ冠動脈攣縮発生に影響を及ぼす可能性が示唆された。
  • 雨宮 修二
    1997 年 47 巻 4 号 p. 625-630
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    下痢と下血を訴える腸管嚢腫様気腫症の70歳の女性に漢方治療を行った。桂枝加芍薬大黄湯加芒硝を処方したところ, 自覚症状が改善し, 約半年後の大腸内視鏡検査では病変が全く消失していた。
  • 内野 直樹
    1997 年 47 巻 4 号 p. 631-634
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    原因不明反復流産患者19例に対して, 柴苓湯8.1g/日を投与し, その妊娠予後, 抗体価の推移などにつき検討した。妊娠の成立は16例に認めた。16例中11例で生児を得た。新生児の体重はすべて正常範囲内で, (AGA) 生後1分の Apgar score はいずれも8点以上であった。自己抗体陽性患者は, 7例で, 抗体価が下降, もしくは陰性化した症例は4例で, いずれも妊娠が成立し, その予後も良好であったが, 抗体価不変の3例は, 1例が妊娠し分娩に至ったものの, 2例は妊娠の成立をみなかった。以上の結果から, 原因不明の反復流産症例に対する柴苓湯投与の有効性が示唆された。いずれの症例においても母児ともに副作用は認めなかった。作用機序, 投与方法など検討の余地は残るものの結果も良好なことから試みても良い方法と思われた。
  • 高島 充, 長屋 健, 菊名 剛, 松多 邦雄
    1997 年 47 巻 4 号 p. 635-643
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    橈骨動脈を対象とした, 東洋医学的脈診法を機械化した。指に代わる交流型の圧力センサーを独自に開発し, 3個のセンサーの押し当て方を検討した。その結果, 各人各様の腕に対して, 滑り機構付のマンシェットが最適かつ被験者の体動の影響を受けにくいことが確かめられた。経験的な動脈の圧迫圧を回避する目的でマンシェット圧の連続減圧を行い, 減圧過程の信号の中から物理量を探り脈診法の科学的解明を試みた。血流が比まる充分な高圧から連続減圧した場合, 各チャンネルの信号は圧力変化に件って振幅が変化し, 全体で特徴的な振幅パターンが得られた。このパターンから, 減圧に伴ってセンサー列の下へ順次拍動流が押し進む様子が観察され, 中央側, 末梢側センサーに拍動流が到達したときの側圧変化, 開口伝播スピード, 浅手掌, 深手掌動脈弓の開閉が観測可能となった。
  • 1997 年 47 巻 4 号 p. 645-646
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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