気血水病理観は, 漢方治療の実際より帰納された実用的な理論である。しかし, その病態の客観的な認識は容易ではない。
著者は, 先に, 水毒症の把握法として, 経穴百会を中心とした切診を, 4段階に分類して観察することが有用であることを報告し, この方法を百会診と称することを提案した。
本論文では, 百会診4度群の病態の背景を検討するため, 180症例について, 現代病名との相関や漢方的証との関係について調査研究した結果を述べた。また, 百会診の実際応用例として, 慢性肝機能障害者群に対して, 本法活用による補陽・補益剤使用の結果について報告した。
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