日本東洋医学雑誌
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37 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 太田 東吾
    1987 年 37 巻 3 号 p. 153-161
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    1956年, 相見三郎は,「癲癇の小柴胡湯療法」を本誌に発表した。以後, 彼は精力的に数多くの論文を発表したが, 彼の一連の報告は, 現代西洋医学の概念で述べられたてんかんを, 漢方薬にてどこまで治せるかを試みようとした仕事の先駆的なものであったと考えられる。
    今回私は, 相見が1976年に発表した漢方方剤ならびに1975年に私信で示した漢方方剤と構成生薬が似かよった2つの漢方方剤を, 発作回数が月平均5回以上の薬剤抵抗性てんかん12例を含む計24例のてんかん患者に試み, 有効な効果を得たのでそれを報告する。
  • 十河 孝博
    1987 年 37 巻 3 号 p. 163-184
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 指頭感覚の客観化
    本郷 孝博
    1987 年 37 巻 3 号 p. 185-192
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    東洋医学でいう“硬結”は, 鍼灸刺激を行うポイントとして, 経穴 (ツボ) と同様もしくはそれ以上に重要視されている。しかしながら,“硬結”と“非硬結”の弁別は, 一般には, 術者の指頭感覚に基く触診により行っている。
    本研究では, 触診により弁別された“硬結”と“非硬結”の硬さを数量化することにより, 指頭感覚による“硬結”の硬さの弁別能に, 妥当性があるか否かを検索した。硬さの測定は, 精度の高い Push-Pull-Gauge (荷重圧測定器, ±2/1000 degree) を用いて行った。その結果, 指頭感覚により触知し得た“硬結”の硬さは,“非硬結”の部位の硬さに比べ, 測定器を皮膚表面からおし下げた距離が等しい部位では一般にやや硬く, その距離が, 2~5mmの部位と8~10mmの部位では, さらに有意に硬いことが確認された。
    これらのことから, 鍼灸の臨床で行っている指頭感覚による“硬結”の硬さの弁別能には, かなりの妥当性のあることが推察された。
  • 遠藤 次郎
    1987 年 37 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    著者は本報において, 古典の中に3種類の寸関尺診が存在することを明らかにした。 この3種に対し, 1尺2寸の寸関尺診, 1寸9分の寸関尺診, 3寸の寸関尺診と名付け, 各々の脈診の部位, 脈診の意義, および史的背景について検討した。
  • 伊藤 隆, 寺澤 捷年, 桧山 幸孝, 三潴 忠道, 土佐 寛順, 今田屋 章
    1987 年 37 巻 3 号 p. 199-206
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    金匱要略所載の赤丸を料として, 80症例 (延87例) に投与した。赤丸の処方構成は茯苓, 烏頭, 細辛に桂枝または半夏を加えるとされている。その有効例, 無効例の解析を行ったところ, 桂枝の加わった赤丸料により高い有効性が得られた。赤丸料は“表”に主座をもつ病変に比較的有効であるが, 有効率を高めるためには鳥頭を一日2g以上用いることが必要であることが示唆された。
    脈候・腹候に本方に特徴的な所見は得られなかったが, 電気温鍼法による負荷試験で20分以上を示すことが必要条件である。また自覚的には身体の寒さを異常に訴えるもの, 易疲労を伴うものに適応となるものが多い傾向が示された。金匱要略には「寒気厥逆」とのみその適応病態が記されているが, 今回の研究により本方の適応病態がより具体化されたものと考える。
  • 義元 徳祥, 鈴木 純二
    1987 年 37 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    大阪市立大学医学部麻酔科ペインクリニック外来を受診した20名の末梢性顔面神経麻痺患者 (Bell 麻痺19名, Hunt 症候群1名) に対する針治療と星状神経節ブロック (以下SGBと略す) の効果を調査した。6名に対して針治療を行い (Group I), 名5に対してSGBを行った (Group II)。残る9名に対して針治療とSGBを同時に行った (Group III)。結果は Group I で6名中5名有効, Group II で5名中5名, Group IIIで9名中8名有効であった。
    さらに発症から治療開始までの時期と治療成績との関係を検討すると, 2週間以内に治療開始した11症例は全例軽快治癒し, 2週間から3ヵ月の間に治療開始した6症例のうち5症例が軽快治癒した。一方3ヵ月以後に治療を始めた3症例のうち2症例は改善治癒した。以上の結果から末梢性顔面神経麻痺に対し針治療およびSGBはいずれも有効であると考えられ, また治療開始が早いほど良い治療成績が得られた。
  • 山本 中
    1987 年 37 巻 3 号 p. 215-219
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    圧痛点の出現は山本式12反応帯に基づいてある種の法則性が想定できる。
    その圧痛点を施灸によって消失させる場合, 壮数が重要な意味を持つ。
    圧痛点もしくは施灸点の属する反応帯によって, 圧痛消失に要する壮数が左右される。
    これは単に反応帯現象の一例というだけでなく, 施灸効果の現れ方として興味深い現象である。
  • 寺澤 捷年
    1987 年 37 巻 3 号 p. 221-222
    発行日: 1987/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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