日本東洋医学雑誌
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47 巻, 3 号
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  • 1996 年 47 巻 3 号 p. 357-389
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 安倍 道治
    1996 年 47 巻 3 号 p. 391-404
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 秋山 雄次, 大野 修嗣, 藤巻 敏久, 小田桐 覚, 浅岡 俊之, 田中 政彦, 鈴木 輝彦, 土肥 豊
    1996 年 47 巻 3 号 p. 405-410
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    糸球体腎炎患者22例における柴苓湯 (7.5g/日) 単独治療と柴苓湯とメシル酸カモスタット (600mg/日) の併用療法についての有効性と副作用について検討した。柴苓湯単独群では投与8週後のみに有意に蛋白尿の改善を認めた (P<0.05) が, 併用群では2例の脱落例があったものの投与2週以降有意に蛋白尿の改善を認めた (P<0.03)。両群ともに副作用は認められなかった。症例数が少ないものの柴苓湯とメシル酸カモスタットの併用療法は安全で有用であると考えられた。
  • 薬効ならびに薬用部位に関する史的考察
    御影 雅幸, 吉田 あい
    1996 年 47 巻 3 号 p. 411-418
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
    漢薬「大黄」は近年ではもっぱら瀉下薬として著名であるが, 古くから駆淤血薬としても利用され, 大黄の古来の薬効が駆淤血であるのか瀉下であるのかについては未だ明確な結論が得られていない。また, 近年薬用部位に混乱が見られる。本研究ではこれらの問題点を解決するために古文献をひもといて史的考察を行い, 次のような結果を得た。大黄の古来の薬効は駆淤血であったが, 瀉下その他の薬効でも使用されていた。清代までは Rheum palmatum を始めとする大型ダイオウ属植物の根茎が良質品大黄として使用されていた。近年, 根も使用されるようになったのは, 大黄が瀉下薬として評価された結果であると考える。大黄の薬効は多様であり, 今後は根茎と根の薬効の相違, 潟下活性以外の効能などについて詳細に検討する必要があろう。
  • 名取 通夫, 土佐 寛順, 田中 伸明, 川俣 博嗣
    1996 年 47 巻 3 号 p. 419-424
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    「朮」は大きく白朮と蒼朮に分類され, 白朮は利水・補剤として, 蒼朮は発汗・除湿剤として用いられてきた。しかし, 実際に白朮と蒼朮を入れ換えることにより, 自覚症状がいかに変化するかは検討されていない。今回我々は, 漢方方剤中の白朮と蒼朮を4週間ごとに入れ換えて処方検討することにより, 以下のことを明らかにした。
    1) 関節痛がある症例では蒼朮を用いた方が有効率が高い。
    2) 有効例では「飲みやすい」と答えた人が60%で,「飲みにくい」と答えた人はわずかに9%であり, 味覚が効果判定の一つの指標になり得る。
  • 小林 衣子
    1996 年 47 巻 3 号 p. 425-432
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    尋常性〓瘡の患者においてテトラサイクリン系抗生剤に反応が悪い症例, 治療が長びいている症例を主体に漢方薬による治療を試みた。漢方薬を併用することにより皮疹が軽快し, 抗生剤の減量, 中止に成功した症例, 漢方薬のみの内服で良くなった症例を, 使用した漢方薬別に症例をまとめた。清上防風湯, 十味敗毒湯, 桂枝茯苓丸が奏功しそれぞれの漢方薬有効例群に共通する特徴が認められた。特に25歳以上のいわゆる成人型〓瘡の場合, ほぼ全例に手, 足の冷え, 肩こり, 生理痛, 生理前増悪などの〓血の症状があり, 駆〓血剤, 特に桂枝茯苓丸が著効した。
  • 伊藤 隆, 喜多 敏明, 嶋田 豊, 柴原 直利, 寺澤 捷年
    1996 年 47 巻 3 号 p. 433-441
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    八味地黄丸が奏功した慢性喘息患者4症例を報告した。症例は63歳女, 57歳女, 41歳女, 42歳男。いずれも成人発症, 通年型である。重症度では第1例は軽症, 第2例は中等症, 第3, 4例は重症に相当した。漢方医学的には4例ともに八味地黄丸証を認めた。第1例はウチダ八味丸Mが奏功したが, 第2~4例は反応せず熟地黄を用いた自家製丸剤により始めて喘息病態の改善を認めた。4例ともに喘息病態の改善に伴い発作点数の低下, 治療点数の低下, 早朝時ピークフロー値の上昇を認めた。経口ステロイド剤は第3例と第4例に使用していたが, 第3例で離脱, 第4例で減量できた。本報告により八味地黄丸が慢性喘息患者の呼吸機能改善に対して有用であること, 丸薬として投与する場合には乾地黄よりも熟地黄を用いた方が治療効果においてより優れている可能性が示唆された。
  • 伊藤 隆, 柴原 直利, 新谷 卓弘, 喜多 敏明, 寺澤 捷年
    1996 年 47 巻 3 号 p. 443-449
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    熟地黄を用いた自家製八味地黄丸の臨床効果を検討した。対象は慢性喘息患者11例 (男3例, 女8例), 年齢56.7±11.1歳 (Mean±S. D.), いずれも成人発症例である。対象症例は男3例, 女8例。重症度では軽症1例, 中等症2例, 重症8例に相当した。10症例は同薬剤を8ないし12週間投与できたが, 1例は胃部症状のため服薬を中断した。治療成績は発作点数と治療点数の変化により, 改善7例, 不変2例, 悪化1例と評価された。経口ステロイド剤は7例に投与されていたが, 2例で減量, 2例で離脱できた。改善例のピークフロー値は投与前より約20%上昇した。同剤の気管支拡張効果は単独投与では軽度であり, ステロイド剤・テオフィリン等との併用時に顕著となることより作用機序として抗炎症増強作用が推測された。自家製八味地黄丸は慢性喘息患者の呼吸機能改善を目的としてより広く使用できるものと考えられた。
  • 大野 勉, 小田 隆晴, 田中 栄一, 酒井 安子
    1996 年 47 巻 3 号 p. 451-455
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    子宮脱や子宮下垂は, 骨盤底筋群のが筋力低下や各靱帯組織の弛緩延長が原因と言われているが, これに対する治療法は, ほとんどが手術療法である。保存的治療法としては, ペッサリーリングと漢方薬が知られているが, 漢方薬の中では, 升堤作用を有する補中益気湯が主に使われている。今回38例の子宮脱・子宮下垂に対して補中益気湯を投与しその効果をみた。自覚症状が改善したのは39%で, 改善までの期間は2週間から4ヵ目であった。そのうち72%は膣内1/2ないし腔内3/4下降例であった。また40%が内服継続中であり, 53%が途中で来院を中止していた。自覚症状が悪化したのは16%で, このうち83%が手術し, 残りは来院を中止している。残り44%は不変例であった。他覚所見に対してはほとんどが不変であった。主に子宮下垂に対しては補中益気湯は有用であると思われた。
  • 山下 仁, 高橋 昌巳, 西條 一止, 一幡 良利
    1996 年 47 巻 3 号 p. 457-464
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌に対する生体の感染防御活性に及ぼす灸の効果を明らかにするため, 黄色ブドウ球菌 Smith 株を用いてウサギに免疫し, 施灸群4羽と非施灸群4羽の血清中の抗体産生能を enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) により比較検討した。施灸群のIgM抗体価は非施灸群よりも有意な上昇 (P<0.05) が認められた。また同株の感染防御抗原である Smith surface antigen (SSA) を用いた ELISA inhibition test では, 初回免疫後9週目における施灸群血清のIgMおよびIgGの抗体活性が有意 (P<0.05) に高かった。このことから灸は黄色ブドウ球菌 Smith 株に対する生体の抗体産生能を昂進させるとともに, 同株に対する感染防御活性も増強させることがわかった。
  • Susumu TAMAKAWA, Hidemichi OGAWA
    1996 年 47 巻 3 号 p. 465-467
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    Background: The present study investigates the effect of Juzentaiho-to on normal weight increase in rats. Juzentaiho-to is a traditional Japanese ‘Kampo’ medicine and causes increased appetite in patients.
    Method: Ten male 4-week-old wistar rats were divided into two groups. The five rats of the J group were fed CE-2 including 1% Juzentaiho-to, and the five rats of the C group were fed CE-2. The animals weights were measured weeekly.
    Results: The J group had grown significantly heavier than the C group at 15 weeksold.
    Conclusions: Juzentaiho-to causes an increase in body weight in rats.
  • 小山 誠次
    1996 年 47 巻 3 号 p. 469-475
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    帰脾湯及び加味帰脾湯の出典について論考した。今日一般的に帰脾湯は人参, 白朮, 茯苓, 竜眼肉, 酸棗仁, 黄耆, 遠志, 当帰, 木香, 甘草, 生姜, 大棗と処方される。『済生方』の帰脾湯には当帰, 遠志が配合されず,『玉機微義』では『済生方』処方に当帰を加味した帰脾湯が記載され,『薛氏医案』中の諸書では更に遠志も加味した処方が記載されている。一方, 加味帰脾湯は『薛氏医案』中の諸書にあっては, 柴胡, 山梔子加味の処方, 柴胡, 牡丹皮, 山梔子加味の処方, 牡丹皮, 山梔子加味の処方の3種類が記載されている。いずれも我が国で江戸時代の通用処方書に採用されていたが, 今日では柴胡, 山梔子の加味方が最も多く処方される。これは恐らく『勿誤薬室方函』及び『勿誤薬室方函口訣』の影響によるものではないかと思われる。
    総じて, 出典としては帰脾湯も加味帰脾湯も共に『済生方』,『玉機微義』,『薛氏医案』をもって充てるのが順当である。
  • 1996 年 47 巻 3 号 p. 481
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/03/12
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