カドミウム・セレン赤顔料調製について各種調製方法およびX線分析と呈色との関係を研究し, これらを比較検討して大体次の結果を得た。
(1) 乾式調製方法としてCdCO
3, SeおよびSによる方法, ならびにCdSとSeによる方法が優れていることを認めた。
(2) カドミウム・セレン赤はαCdSとCdSeの固溶体であることを認めた。
(3) 適当な処理条件の範囲内では, 色調に対する影響は配合比によるものが大である。換言すれば, 固溶体中のαCdSとCdSeとの比によつて影響されることが大である。
(4) 同一配合の場合, 一般処理条件による暗色化はCdOとCdSO
4の生成により, 固溶体中のCdSeの相対量が増加するためと考えられる。
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