窯業協會誌
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93 巻, 1080 号
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  • 幾原 雄一, 上野 治幸, 吉永 日出男
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 409-417
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    新しい方法で作製したいろいろの組織を有するSi3N4-SiC複合材について, 室温から2000Kまでの温度範囲で圧縮及び曲げ試験を行いその機械的性質を調べた. その結果, (1) 常温では低応力の範囲でヤング率が低く, かなり大きな可撓性を示すこと, (2) 高温になるにつれてこの応力依存性は少なくなり, 約1370K以上では逆の応力依存性を示すこと, (3) 破壊は研磨面上での最大気孔径と大略対応づけられること, (4) 真空中での強度は約1300K以上で低下し始めるが, 1気圧N2中では約2000Kまで低下しないこと, (5) 結晶粒界には, 格子が連続的に曲がって結合するような特殊な構造のものがあること, などが明らかにされた. これらの結果より, 本複合材は組織を最適化すれば高温材料として有望であることが知られた.
  • 植月 徹, 田中 嘉一郎, 前川 正雄, 小畑 孝義, 玉木 宣男, 中澤 泰朗
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 418-425
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZrO2-CaO-SiO2系の共生関係が1400°-1500℃で解明交叉法と2成分及び3成分の化合物合成とによって研究された.
    3成分化合物3CaO・2SiO2・ZrO2(C3S2Z) 及び2CaO・4SiO2・ZrO2(C2S4Z) がZrO2, SiO2, CaCO3の混合物から固相反応によって調製された. C3S2ZはまたCS+CZ4, C2S+ZrO2, C2S+CZ4, C3S2+CZから1500℃で生成した.
    C3S2ZはZrO2, CZ4, CZ, C2S, C3S2及びCSと1400°-1500℃で共生し, C2S4ZはZrO2, ZS, SiO2及びCSと1400℃で共生することが明らかにされた. 一方, 共やく線CZ-C2S及びCZ-C2Sが決定され, ZS-CS線は共やく線から徐外された.
    これらの結果, ZrO2-CaO-SiO2系は次に示す12の共生三角形から成り立つことが明らかになった.
    CaO-CZ-C3S, C3S-CZ-C2S, C2S-C3S2Z-CZ, CZ-C3S2Z-CZ4, CZ4-C3S2Z-ZrO2, ZrO2-C3S2Z-CS, C2S-C3S2-C3S2Z, C3S2-C3S2Z-CS, ZrO2-CS-C2S4Z, ZrO2-ZS-C2S4Z, ZS-SiO2-C2S4Z, SiO2-CS-C2S4Z.
  • 岡田 明, 松長 正治, 赤穂 義明
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 426-432
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    常圧焼結窒化ケイ素の表面にヌープ圧子を用いて半楕円状のき裂を導入し, 曲げ応力を加えながら高温に加熱した. 試料は所定時間加熱したのち取り出して曲げ強さを測定し, 見掛けのKICを算出した. 高温に加熱したときに加えた応力とヌープき裂の形状と大きさからき裂に加えられた初期の応力拡大係数を算出し, 見掛けのKICとの関係を調べた. 1200℃の窒素中における測定について, 初期のKIが大きいときには, 見掛けのKICは試料の破壊靱性にほぼ一致する4.7MPa・m1/2であり, ヌープき裂の周囲に粒界を経由したき裂の成長が認められた. 一方, KIが小さいときには見掛けのKICは異常に大きく測定された. これはき裂先端の鈍化によると考えられ, 強度増加を生ずるいき値としては0.1MPa・m1/2と求められた. この値は, き裂先端における応力の釣り合いとエネルギー平衡に基づいて理論的に導出された値とよい一致を示した.
  • 芦塚 正博, 増田 竜彦, 石田 英一
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 433-441
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Ca3(PO4)2-Al2O3-SiO2ガラスの体積弾性率, ヤング率及び剛性率は, それぞれ55.25-62.19GPa, 79.92-86.24GPa及び31.74-33.94GPaであった. ガラス中のCa3(PO4)2及びAl2O3含量を一定とした場合の体積弾性率は平均原子容の増加とともに減少した. しかしSiO2含量を一定とした場合の体積弾性率は平均原子容が大きくなるとともに大きくなるという異常な傾向を示した. Ca3(PO4)2含量が一定の場合のヤング率は平均原子容の増加とともに減少した. しかしSiO2又はAl2O3含量を一定とすると, ヤング率は平均原子容の増加とともに大きくなるという異常な傾向を示した. 硬度は510-580kg/mm2となり, Ca3(PO4)2をAl2O3又はSiO2で置換すると大きくなった. 本系のガラス (50-60% SiO2, 20-30% Al2O3) の各種弾性率及び硬度はCaO-P2O5-SiO2 (0-15% SiO2) 及びCaO-P2O5-Al2O3 (0-7% Al2O3) ガラスの値より大きく, 50-60% SiO2を含んだケイ酸塩に近い値を示した. 破壊靱性及び破壊表面エネルギーは, それぞれ0.99-1.47MPa・m1/2及び5.6-12.2J/m2となり, Ca3(PO4)2含量の増加とともに減少した.
  • 浜野 健也, 満留 辰郎, 中川 善兵衛
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 442-450
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1mol%のNb2O5と0.5mol%のMnOを含むZnOセラミックスについて, 液相焼結後の冷却条件を変化させることによって第2相の存在状態やそれとZnO粒子との間の成分移動等の微構造を制御し, それらと電気的特性との関係について検討した.
    1305℃での液相焼結後, 1250℃以下の種々の温度, Tqまで急冷した場合, Tqが低いほど比抵抗値が大きく, 電圧-電流特性の非直線性が著しくなった. 焼成体の組織は, Tqが低くなるほどZnO粒子に対する第2相のぬれ性が良くなり, Tqが1000℃以下のものでは第2相の連続相となった. 焼成温度から室温まで徐冷した試料は絶縁化し, 非常に高抵抗で1200V/mmの電圧まではバリスター特性を示さなかった. 急冷試料の電気的性質の変化は, ZnO粒子に対する第2相のぬれ度合のみからでは説明することが難しく, ZnO粒子間の境界部が何らかの原因で高抵抗化し, バリスター特性が現れたものと考えられた. この点については, 液相の凝固の際に液相からZnOが一部晶出することに注目し, この晶出したZnOで形成される粒子間の接触部が, ZnO粒子内部と性質が異なることが予想され, この異質性がバリスター特性発現の微構造上の大きな要因と推定された.
  • 小山田 了三, 古賀 秀人, 小池 隆
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 451-458
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    PbO-B2O3-R2O (R=Na or/and K) 系ガラス中のNi2+イオンの吸収スペクトルと, 本系ガラスの赤外吸収スペクトル及び屈折率を測定した. この結果から配位子場強度及びRacahのBパラメーターを算出した. これらの結果を総合して, ガラス構造に及ぼすアルカリ金属酸化物の組成割合の変化による影響及びPbO比の変化の影響等を検討した. 900cm-1の付近に現れる赤外吸収スペクトルの強度は, アルカリ含有量の増加に伴い減少する傾向が見られた. これはアルカリ含有量の増加に伴ってBO4単位の一部がBO3単位に変化していくためであると考えた. この傾向は, NaとKのアルカリの種類が違っても, また混合アルカリガラスにおいても, その差異は認められなかった. アルカリ含有量の増加に伴って屈折率は低下した. これはアルカリ含有量の増加とともにPb2+の割合が減少したためであると考えられる. また混合アルカリガラスの屈折率は, アルカリ含有量の変化に伴ってほぼ直線的に変化し, 混合アルカリ効果はほとんど見られなかった. Ni2+イオンの吸収スペクトルから求めた配位子場強度は, 単一アルカリガラスの場合はアルカリ含有量の増加に伴い高波数側ヘシフトし, またPbOの割合が大きい場合にはその強度の変化は小さいことが認められた. 更に混合アルカリガラスの場合は, NaとKのモル比が1:1付近が極小となるゆるやかな曲線を示した. RacahのBパラメーターは (100-x)(PbO・2B2O3)+xK2O+(16-x)Na2O系ガラス及び76(PbO・2B2O3)+xK2O+(24-x)Na2O系ガラスにおいてK2Oの濃度の増大に伴って低波数側へ大きくシフトし, これ以外の系では, アルカリ含有量の増加に伴って低波数側へ直線的にシフトした.
  • 横倉 修一
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 459-466
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    内圧力を負荷した状態下でのガラスびんの熱衝撃強度特性を評価する目的で, 一様深さで軸方向に連続的なクラック (Straight-front crack) を外表面に含むガラス円筒を対象に破壊力学的な解析を行った.
    まず円筒のガラス層に発生する熱応力を計算し, BuecknerのWeight Functionを用いて, 熱衝撃破壊について表面傷深さと熱衝撃量の関係を検討した. なお限界応力拡大係数はMecholskyによる値を用いた.
    このガラス円筒に関する理論的解析結果を半だ円形状 (Semi-elliptical crack) のクラックが発生していると考えられるガラスびんに適用したところ, 熱衝撃破壊に関する実測値は破壊力学的に導き出された理論値とよく一致することが分った.
  • 青木 繁樹, 木曽 正光, 荒井 康夫
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 467-474
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    製紙スラッジ-硫酸-スラグ-水酸化カルシウム系の凝結, 硬化における水酸化カルシウムの作用とアルミン酸ナトリウム添加の影響を検討し, 次の結果を得た.
    (1) 製紙スラッジ-硫酸-スラグ系ではスラグ中のCaO及びMgO成分は塩基性物質として系中の遊離硫酸と反応し, 硫酸カルシウム二水和物を生成し, その結果スラグ中のSiO2及びAl2O3成分の反応性が増大する.
    (2) この系に水酸化カルシウムを添加すると, CaO-Al2O3-CaSO4・2H2O系からはエトリンガイトが生成するが, 水酸化カルシウムの添加量がCaO/Al2O3モル比, 3/1以下ではエトリンガイトは非常に生成しにくい. それに反し, 3/1以上になるとこの系にはエトリンガイトが生成し, 凝結, 硬化することが分った.
    (3) この系の凝結はアルミン酸塩の添加により非常に促進された. CaO/CaSO4・2H2O/Al2O3モル比が3/3/1以上にCa(OH)2及びCaSO4・2H2Oが存在するときは, NaAlO2の添加により, エトリンガイトが生成し, 凝結が早くなり, 強度も増大したが, Ca(OH)2及びCaSO4・2H2Oのどちらか欠けるときは, エトリンガイトの生成がなく, 凝結は早くなるが, 強度は低下した.
  • 平田 好洋, 南園 広志, 島田 欣二
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 475-478
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 93 巻 1080 号 p. 478
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 若井 史博, 阪口 修司, 松野 外男
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 479-480
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 引地 康夫, 福尾 券一, 大霜 紀之
    1985 年 93 巻 1080 号 p. 481-483
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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